3枠が用意されるGK陣では、早川友基(鹿島アントラーズ)がメンバー入りに大きく近づいた。2023年から鹿島の守護神として傑出したパフォーマンスを披露し続けてきた男は、26歳で初招集されて第2戦の中国戦でA代表デビューすると、前半11分に突然訪れた大ピンチでファインセーブを披露した。日本の攻撃の時間が長く、集中力を保つのが困難な状況下での相手FWと1対1で、瞬時に距離を詰めた上での鋭い反応での完璧なセービングであり、早川のGKとしてのレベルの高さを物語るプレーだった。さらに繋ぎのパスでもアピールし、総合力の高さも証明した。
同じく今大会でA代表デビューした19歳のピサノ・アレックス幸冬堀尾(名古屋グランパス)とは経験値、メンタル面で違いを見せ、今大会でメンバー外となった谷晃生とは足元の技術の差を見せたことにより、本大会のGK枠は鈴木彩艶、大迫敬介と早川で決まったと言ってもいいほどだ。
常連組に故障者が続出しているDFラインでは、安藤智哉(アビスパ福岡)を推したい。身長190センチの高さが魅力のセンターバック。3年前まではJ3でプレーし、J2での2年間を経て今季J1デビューから一気に知名度を上げた男は、A代表初招集から2試合に右CBとしてスタメンフル出場した。ホンコン・チャイナ戦でのCKからの打点の高いヘディングはファウル判定で取り消され、韓国戦での攻め上がっての強烈な右足ボレーはわずかにゴール左に外れたが、今季リーグ戦で4得点を挙げている攻撃力を代表舞台でも発揮。そして韓国戦では後半途中からの相手の波状攻撃、パワープレーに対して体を張って跳ね返し続けた。
現在26歳。J1経験だけでなく国際経験も足りていないのは承知だが、風貌も冨安健洋を彷彿とさせる男の、ここから1年でのさらなる成長を期待したいところ。常連組のコンディション次第にもなるが、同じく今回のE-1選手権で代表デビューを飾った綱島悠斗(東京ヴェルディ)とともに来夏のW杯本大会のメンバー入りもあり得ない話ではない。