すっかり定着したハンディーファン。都内のある小学校は「音が出るもの、動くものはダメ」と指導している(photo gettyimages)

「両手がふさがらないもの」に突っ込み

 小学2年生の娘がいる都内在住の会社員の女性(44)も、日傘についてモヤモヤしている。

 先月、学校から届いたお便りには、「熱中症対策」として「首に巻くタイプのように両手がふさがらないものが安全上よい」「扇風機(ハンディーファン)のように動いたり音が出たりするものは使用しない」といった記載があった。

 日傘については明記されていなかったが、「両手がふさがらないものが安全上よい」ということは「日傘はNG」と受け取れる。そういうこともあり、娘は首に巻くタイプのネッククーラーを着けて通学している。周囲に日傘を差してくる児童は見当たらず、やはり日傘はダメなのかと思っていたら、娘から「友だちが持って来ているから欲しい」と魔法瓶型の氷嚢をねだられて購入したという。女性はこう漏らす。

「両手がふさがらないものが安全上よいと言いつつ、氷嚢はOKというのがよくわかりません。雨傘はどうなんですか?と突っ込みたくもなりますし……」

 そこで、東京都教育委員会に聞くと、都として熱中症対策で日傘に関する「基準は設けていない」という。

「最終的には、学校の実情を踏まえ校長先生が決めることになりますので、都としては(日傘を)推奨することも禁止することもしていません。今後、議論が必要になってくれば、基準を設ける可能性もあります」(都指導企画課)

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