復帰が待ち遠しい柳田だが…(写真提供・日刊スポーツ)
復帰が待ち遠しい柳田だが…(写真提供・日刊スポーツ)
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 セ・パ交流戦で史上最多となる9度目の優勝を果たし、パ・リーグで首位争いを演じているソフトバンク。離脱している主力選手が多く、ここから彼らが復帰すれば首位の日本ハムを逆転する可能性も十分にあると見られている。ただそんな中で気になるのがチームの顔とも言える柳田悠岐の状態だ。

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 開幕から11試合で2本塁打を放つなど順調なスタートを切っていたが、4月11日のロッテ戦で自打球を右膝に当てて途中交代となると、翌日には一軍登録を抹消。それから約3カ月間が経過しているが、いまだに実戦復帰を果たすことができていないのだ。

 そして柳田の長期離脱は今シーズンだけではない。まず大きく躓いたのが2019年だ。開幕直後に左脚の肉離れで戦線を離脱。ようやく一軍に復帰したのは8月後半で、このシーズンはわずか38試合の出場に終わっている。その後2020年、2023年には最多安打のタイトルを獲得するなど復活したかに見えたが打率は徐々に低下。昨シーズンは右脚を痛めて長期離脱となり、52試合の出場で一軍定着後では最低となる4本塁打に終わっている。今年は再起をかけるシーズンだけに、開幕早々の離脱は大きな誤算だったと言えるだろう。

 そして気になるのは柳田が復帰してもそのポジションがあるかという点だ。現在のソフトバンクの外野陣を見てみると、センターは実績のある周東佑京が完全なレギュラーとして定着。現在は故障明けのため指名打者での出場が多い近藤健介も、体調が戻ってくれば外野として出場する可能性は高い。さらに今年6年目の柳町達が柳田不在の間に外野の一角をつかむと、セ・パ交流戦では打率.397をマークしてMVPを受賞するなど急成長を見せているのだ。

 他にも巨人からトレードで加入した秋広優人、育成ドラフト出身ながら二軍で驚異的な成績を残して成長著しい山本恵大、捕手登録ながら打撃を生かして外野で起用されている石塚綜一郎なども控えている。また柳田と同じく怪我で長期離脱となっている正木智也も中軸候補として期待は高い。それを考えると実績が圧倒的であっても、今年10月で37歳となる柳田の立場は決して安泰ではないと見るのが妥当だろう。

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