物販をはじめた動機は「うちの社員が安心して働ける環境をつくれたらいいなと思って」(撮影・松永卓也/朝日新聞出版写真映像部)
物販をはじめた動機は「うちの社員が安心して働ける環境をつくれたらいいなと思って」(撮影・松永卓也/朝日新聞出版写真映像部)

 物販をはじめた動機は「うちの社員が安心して働ける環境をつくれたらいいなと思って」。

 今、株式会社バズレシピは社員を3人抱えている。それ以外のスタッフも含めると12人近くの暮らしを背負っている。

「僕が仕事を辞めると、自動的に12人が路頭に迷う。そういう責任みたいなものを感じてきました。最近は『従業員を甘やかしすぎかもな』と思いはじめましたが」

 甘やかしすぎ、とは?

「全部、僕が指示を出しているから、もっと育てなきゃいけないのかも、という意味で。うちで働いてくれてる人は、たぶん他に行ったら仕事できないんですよ。

 レシピを考えているのもマーケティング戦略も全部僕。動画編集のスキルが上がったとして、じゃあ動画編集だけでしっかり食べていける人がどれだけいるか。

 リュウジの下にいたっていうだけで採用してくれる会社がどれだけあるか、わからない」

 真剣に心配している様子。親のようだ。

お兄ちゃんのまかない

 そんな話を聞いているうちに、取材はそろそろ3時間が過ぎようとしていた。リュウジさんはスタッフに「腹減っただろ、パスタ作ってやるよ」と台所へ。

 にんにくのいい匂いがする。10分ちょっとでツヤツヤのペペロンチーノが出てきた。

 シイタケやホタテ、昆布、トビウオなどの複合的なうま味を爆発させた「リュウジの至高の塩」(楽天市場などの公式ショップで販売中)を使っていた。

 スタッフはおいしい、おいしいとうれしそうに頬ばっていた。

 先ほど「親のよう」と書いたが、リュウジさんがまかないを作って振る舞う姿から、兄が弟や妹に食事の用意をするような温かさが伝わってきた。

取材・文/中島晶子(AERA編集部)、大場宏明

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編集/綾小路麗香、伊藤忍

AERA Money 2025夏号』から抜粋

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