料理研究家のリュウジさん(撮影・松永卓也/朝日新聞出版写真映像部)
料理研究家のリュウジさん(撮影・松永卓也/朝日新聞出版写真映像部)
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 超人気料理研究家リュウジさんインタビュー。「味の素で客とケンカ」売れてモテて「変な女性が寄ってきて……」。「結婚願望は?」NG質問なしの後編。【本記事はアエラ増刊「AERA Money 2025夏号」から抜粋しています】

【写真を見る】料理研究家リュウジ事務所の「YouTubeで見えないところ」撮りました

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※本記事は後編です。前編はこちら

 バーでお酒を楽しんでいたときの話をしてくれた。居合わせた客が「あっ、リュウジさんだ! 『味の素』をよく使う人だよね」と。

 続けて別の客が「味の素って体に悪いからねぇ」。これを聞いたリュウジさんは「バカなんだね」とキツい一言。

「なんだかんだ、お互い酔ってるのもあって場が荒れましたね。

 その客は脅しのつもりだったのか『録音するぞ』と言ってましたが、『録音して文春にでも売れよ』と言い返しました。

 味の素は体に悪くない。間違ったことは言ってないから」

 リュウジさんは必要に応じて味の素を使う。自身のサイトやユーチューブでは「うま味調味料」と書かず「味の素」と書く。

「素材本来の味が一番大事で味の素は邪道」などと避けるのは自己満足だと、はっきり批判もしてきた。

 2023年10月には『料理研究家のくせに「味の素」を使うのですか?』(河出書房新社)を出版し、売れた。

 硬派な内容で、エビデンスに基づいた「味の素は人体に害とならない根拠と証拠」がつづられていた。本書は増刷され、「料理レシピ本大賞in Japan」も獲得している。

ゼロか100は変

「塩だって、取りすぎると最悪は死にます。だからといって塩を一切取らないのが正しい? そんなことないですよね。適量なら問題ないし、塩分は必要です。

 人間の体で分解・排出できる量なのかが大事なんですが、『ゼロ100』(一切取らないか、山ほど取るか)でしか語らない人が多い」

 リュウジさんの言葉が熱くなってきた。

「味の素が体に悪いという人は主成分のグルタミン酸ナトリウムの『ナトリウム』を根拠にしがち。

 でも、グルタミン酸ナトリウムに含まれるナトリウム量は食塩の3分の1です。

 ナトリウム危険論者の言い分に寄せれば、食塩は味の素の3倍以上も危険ってことになります。こういう量の概念がないから『取らないほうがいい』とバッサリ斬っちゃう。

 ゼロか100かの2択は変でしょ。本当のことを知らないか、拒否感がありすぎて知ろうとしないだけ」

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