
7月に入り、高校野球の地方大会もいよいよ本格的に全国で開幕しているが、アマチュア野球ではもう一つ大きなイベントが行われる。それが7月8日に開幕する日米大学野球だ。1972年に第1回大会が行われ、今回が45回目を迎えるが、これまでも大学日本代表からは多くのプロ野球選手が誕生しており、対戦するアメリカ代表も後にメジャー・リーガーとなった選手は多い。そこで今回は、大学日本代表として出場する選手の中から、特にドラフトで注目を集めそうな選手について紹介したいと思う。
4年生の投手は伊藤樹(早稲田大)、山城京平(亜細亜大)、斉藤汰直(亜細亜大)、中西聖輝(青山学院大)、桜井頼之介(東北福祉大)、毛利海大(明治大)の6人が選ばれたが、全員が上位候補という顔ぶれとなっている。中でもこの春評価を上げたのが中西だ。昨年まではまとまりのある好投手という印象だったが、今年はスピードも大きくアップし、コンスタントに150キロ前後をマークする。大学選手権では崩れたものの、リーグ戦では圧巻の投球を見せ、先日行われたDeNA二軍とのオープン戦でも好投した。早くから一軍で使える投手という意味では真っ先に名前が挙がる存在だろう。
もう1人今年評価を上げているのが桜井だ。中西と同様に今年に入ってストレートの球威が増し、大学選手権ではフル回転の活躍でチームを優勝に導いた。体は細くてもスタミナも十分で、安定感は大学生投手の中でも屈指の存在である。
東京六大学から選ばれた伊藤と毛利は高い制球力と投球術が持ち味で、春のリーグ戦ではともに6勝0敗と抜群の成績を残した。伊藤は通算成績も19勝3敗と圧倒的で、大学日本代表の堀井哲也監督も投手陣の中心とコメントしている。凄みは欠けるものの、試合を作る能力の高さは見事だ。一方の毛利も最近の投手では珍しい大きいカーブを上手く操り、変化球はどのボールもレベルが高い。左の先発タイプとして貴重な存在だ。