■第9位「LOVE (抱きしめたい)」
第10位の「晴れのちBLUE BOY」から一転、第9位はジュリーのバラードの名曲が入った。曲の冒頭、“抱きしめたい”を4回繰り返し、憂いを帯びた伸びのある美声に誰しもが酔いしれる。
「とにかくセクシー。男の目から見ても羨ましいぐらいのセクシーさ。最近の歌手であの雰囲気を出せる人はいない」(50代・男性)「歌唱力と歌を演じるパフォーマンスに敬服」(60代・男性)「聞いていて 涙が出るし 歌の世界に入り込める」(70代・女性)
当時の歌番組では、革のコートやトレンチコートなどを袖を通さず肩に羽織り、スタジオに降らせた雨にずぶ濡れになる演出が施された。その姿が目に焼き付いているファンからは、「LOVE (抱きしめたい)」を“まるで一本の映画のよう”という声も多く聞かれた。
「生放送の歌番組で傷つき雨に打たれ切々と歌い上げる姿に、色気と儚さを感じ心打たれた。もちろんすべてスタジオ内の演出だし、演技なんだけど、一本の映画を観るようだった。当時もいいですが、お年を召してからのライブでの歌唱もたまらないです」(60代・女性)
「どれも名曲揃いですが……この曲は聴くたびに涙が溢れます。ジュリーの表現力の豊かさがよく分かる。また、紅白で初めて演歌以外での大トリというのも偉業です」(50代・女性)
「LOVE (抱きしめたい)」を歌唱した78年の「第29回NHK紅白歌合戦」では、沢田研二自身初の大トリ、しかも、演歌歌手以外では初めてだった。
第8位「君をのせて」
71年リリースの沢田研二のソロデビューシングル「君をのせて」が第7位に。「最高のバラード曲! 歌詞も最高!」(70代・女性)という絶賛の声がある一方、じわじわと好きになっていったとの声も。
「この曲、ずっと後に好きになりました。切なく、しみます」(70代・女性)「発売時より歳を重ねてからいい曲だと思った。名作!」(60代・女性)「小学校の時でした。初めてこの曲を聞いて、なんて不思議で惹かれる声なのかと何回も聞いたことを覚えています」(60代・女性)「ジュリーと共に年齢を重ねて、しみじみと心に響く歌です。現在81才、 ライブでのスタンディングのため頑張っています」(80代・女性)
“名曲”と断言するファンも。
「これは名曲です。スタンダード曲と言っても良いのでは?と、何十年もたった今だから感じられる。ソロデビューがこの曲だったことがジャンルを問わない歌手となる事への示唆だったと思えます。歌詞の内容も恋愛なのか友情なのか……解釈もどちらにも出来るし、生きる上での励ましにも聞こえます」(60代・女性)
第7位「サムライ」

第7位に入った78年リリースの22枚目シングル「サムライ」には、リアルタイムでジュリーを知らない20代女性からの激推し、長文メッセージが!
「『夜のヒットスタジオ』で『サムライ』を歌う姿を見て、衝撃を受けました。阿久悠さんの歌詞の世界、大野克夫さんのドラマチックな作曲で、短刀を抜くパフォーマンスや衣装、色気をまとった動きで表現する姿はもはや一本の映画を観ているようでした。ダンスミュージックなどが台頭する現代には、歌唱力もさることながらあらゆる面でソロアーティストでここまでひとりで表現できる人はいないと思います。ジュリー本人だけでなく音楽や衣装を提供してくれる人たちもまた一流で奇跡のような邂逅があって、ジュリーを唯一無二にしてくれたのだと思います。デジタル技術で何でもできてしまう時代だからこそ、ジュリーの存在は20代の自分にとっても新鮮で、こういう人をスターと言うんだなと感動しました」(20代・女性)
いまの20代も「衝撃」と語る人気歌番組「夜のヒットスタジオ」(フジテレビ系)での「サムライ」だが、スタジオにたくさんの畳を敷き詰めた演出は“伝説”となっている。
「『サムライ』はジュリーにしか出せないドラマ感。これだけの世界を表現できる人はいないと思います。特に『夜のヒットスタジオ』での畳敷のパフォーマンスは伝説です」(60代・女性)