そして、一度はあきらめた球宴初出場の夢も、7月4日に監督推薦で選ばれ、「驚きとうれしさで一杯です」と大感激。「まずは雰囲気を楽しみたい。(試合に)出させていただいたら、全力で思い切りプレーをしたいと思います」の言葉どおり、同16日の第2戦で球宴初安打初打点を記録した。
阪神といえば、一昨年も村上頌樹がノミネート外からセ・リーグ投手部門1位で選ばれたことが記憶に新しい。
前年まで1軍登板わずか2試合だった村上は、4月12日の巨人戦で7回をパーフェクトに抑えるなど、開幕からセ・リーグ最多タイの31イニング連続無失点の快投を演じ、一躍“虎のエース”に。オールスターファン投票でもトレバー・バウアー(DeNA)、戸郷翔征(巨人)を抑えて28万1990票を獲得し、前年まで「一ファンとして楽しんでいた」夢舞台に立ったばかりでなく、シーズンでも10勝を挙げてチームの18年ぶりVに貢献。新人王とMVP、最優秀防御率に輝いた。
戦力外通告を経て、新天地で復活を遂げた上林も、8年ぶり2度目の球宴出場を実現できるか、注目したい。
(文:久保田龍雄)
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