
広島はOB・黒田博樹氏を新監督に招聘、前田健太投手(現カブス)に復帰してもらう道を選ぶのか。
【写真】試合前、阪神・藤川監督と目を合わせず立ち去る広島・新井監督
勝率5割前後を行き来する「勝てそうで勝てない」状況を打破するため、“男気”監督誕生とマエケン復帰を望む声は多い。
数年に1度の酷い試合だった。広島は6月19日のソフトバンク戦(マツダ)、9回に7点を奪われるなど「2-16」と惨敗。新井貴浩監督が、「球場に応援に来て頂いたファンの方にこういう試合を見せてしまって、申し訳ないと思っています」と謝罪したのも当然だ。
「試合序盤は叱咤激動の声も聞こえたが、途中からはヤジすらなかった。昨年9月の大型連敗時のような諦めに似た雰囲気。まだ6月で先は長いが、秋口の消化試合のようだった」(広島関係者)
「新井さんでは勝てない」の声が聞こえる。「いじられキャラ」の愛すべき男で、監督就任を広島ファン・関係者は快く受け止めた。監督1年目はAクラス2位に入り、「選手に寄り添う姿勢は名監督の器」とも言われた。しかし昨季終盤の大失速もあり、評価は180度の変化を見せている。
「広島は“野球どころ”で、ファン・関係者はシビアに見る。采配面の甘さも気になっていた中、昨年の大失速が重なったのが大きい。新井監督1年目が2位だったこともあり、期待が高まっていたこともある」(広島OB)
球団草創期を知る古くからのファンは「弱いカープ」に慣れている。しかし2016-18年の3連覇を経験した若い層を中心とする「勝利」への欲求が強い層を中心に新井監督への失望は大きい。
就任1年目の2023年は74勝65敗4分(勝率.532)で2位に入った。悲願の優勝を目指した昨年は、8月を終えた時点で61勝48敗5分(勝率.560)とセ・リーグ首位に立っていた。しかし9月にリーグ・ワーストタイとなる月間20敗を喫し、最終的には68勝70敗5分(勝率.493)でBクラス4位に沈む。
「酷暑が残る中、本拠地が屋外球場で疲労が蓄積した面もあるだろう。しかし、結果、内容の両方が悪過ぎた。(新井監督は)経験不足という声もあるが、巨人・阿部慎之助監督は就任1年目でリーグ優勝している。力量を問われても仕方がない」(広島OB)