新井監督は就任時から5年を基本線として、オフに単年契約を結び直している。今季もAクラス争いをしていることから、あと2年間を任されることが濃厚だ。

「最終決定権を握るのは松田元オーナー。2007年オフに阪神FA移籍した新井監督の広島復帰を実現させ、監督就任も“鶴の一声”だったとされる。オーナーに気持ちの変化がなければ既定路線通りになるだろう」(スポーツ新聞野球担当)

 昨オフも松田オーナーは「当然、指揮を執ってもらおうと考えている」と信頼の言葉を残している。しかし今後の戦い方次第では、ファンを中心に周囲も黙っていられない状況になりそうだが…。

「(新井監督には)すでに“監督失格”のレッテルが貼られつつある。周囲の声によって松田オーナーの気持ちが変化すれば、次期監督候補は黒田氏しか考えられない。新井監督同様、大のお気に入りですから」(スポーツ新聞野球担当)

 黒田氏のことは公私に渡って可愛がり、2016年の現役引退後は『背番号15』を自らの意向で半永久欠番扱いしている。球団アドバイザーの役職が用意されたのも同様で、黒田氏は恩に報いるためにも新井監督を献身的にサポートしている。

「黒田氏は現在の拠点を主に米国に置き、『監督就任の意向はない』と公言している。しかし新井監督が予定外で早期退任、松田オーナーに頼まれればどうなるかはわからない」(スポーツ新聞野球担当)

「(黒田氏は)新井監督が誕生した2023年に現職に就いた。一蓮托生と言って良いほど、全力で支えている。松田オーナーから懇願されれば、“男気”を発動するかもしれない」(広島関係者)

「自分は黒子に徹してでも男にする」と決めた新井監督が志半ばで退いた場合、意思を受け継ぐ可能性もゼロではない。

「黒田氏を監督にするならば、強力なサポートが必要。縁のなかったFA補強にも動くかもしれない。そして、かつてのエース・前田の復帰にも全力を注ぐはずで、球団史に残るプロジェクトになる」(広島OB)

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