
長嶋茂雄さんは松井秀喜氏に、「日本野球が真の世界一になる夢」を託したようだ。師弟関係の間で交わされた“約束”は大きな注目を集めている。巨人監督就任を望む声も多いが、「長嶋さんらしい思い」を信頼できる愛弟子に伝えたと思われる。
長嶋さんの死去から時間が経つにつれ、改めて喪失感を感じている人は多い。そして、「長嶋さんと生前に約束したこともあります」(松井氏)の中身が、どうしても気になってしまう。
「(松井氏の)発言の影響力は非常に大きく、ファンや関係者の多くが気にかけている。当初は『巨人監督就任を決心した』と思われたが、そうではない雰囲気が出てきている」(在京テレビ局スポーツ担当)
松井氏が2002年オフにヤンキース移籍した際、巨人は快く送り出したわけではなかった。「裏切り者と言われるかもしれないが……」(松井氏)との発言もあったほど。しかし知名度抜群の“ゴジラ・松井”の巨人監督就任を望む声が収まることはなかった。
「多くの娯楽が溢れ、プロ野球人気は絶対のものではない。一昔前は国民的球団と言われた巨人でさえ、絶対的な存在ではなくなっている。時代の変化の中で巨人ブランド復活のため、松井監督は切り札になると思われていたが……」(スポーツマーケティング関連会社関係者)
長嶋さんを含め、多くの人々が松井監督待望論を口にしていた。しかし2012年の現役引退から長い時間が経過しても動きは見られず、その間に巨人の状況も変わりつつある。
「現在は長嶋さんが監督時に入団した阿部慎之助監督が指揮を執る。また、次期監督は桑田真澄2軍監督が有力視される。球団事情で現役引退、監督就任させた高橋由伸氏が再登板する可能性もある。監督候補は渋滞状態で、ゴジ(松井氏)が早期に監督就任するとは考えにくい」(巨人OB)
桑田2軍監督、高橋氏は共に長嶋監督の元でプレー経験があり、松井氏同様に「師弟関係」とも言える。特に2016年から3年間の監督生活で優勝なしに終わった高橋氏に対しては、「泥をかぶらせてしまった」(長嶋氏)と語ったこともあったという。