
素はおっとり口調の「ゆとり世代」
この次郎役でお茶の間での知名度を上げつつある中島だが、実は「武蔵野」などで知られる文豪・国木田独歩の玄孫なのだ。学生時代から多才で、高校時代はバンドや漫才に挑戦し、大学に入ってからは落語研究会に所属していたという。その後、モデル活動を経て俳優となった。
「中島は美輪明宏さんの主演舞台『黒蜥蜴』のオーディションで約200人の中から雨宮潤一役に選ばれ、2013年に同舞台で俳優デビューを果たしました。その後、すぐに朝ドラ『花子とアン』に出演。ヒロインの親友と駆け落ちする恋人役を演じて爪痕を残しました。ただこの時、本人的には満足がいく演技ができなかったようで『すごく大事な役なのに下手さばかりが注目されて、これじゃダメだっていうのはすごくありましたね。たまに再放送がありますが、本当にやめてほしいです(苦笑)』と過去のインタビューで明かしていました」(同)
近年でも、話題作に多数出演している中島。昨年は「不適切にもほどがある!」(TBS系)で、昭和の中学教師・安森役に抜擢。個性的な髪形や昭和の服装がハマり、ダンスや歌のシーンではコミカルな演技で視聴者を魅了した。
「一方、中島が出演した配信ドラマ『ガンニバル』のシーズン2では、ぼさぼさの長髪にメガネという風貌で、反逆者を処刑する狂気的な役柄を演じきっています。SNSでは安森と同じ俳優が人物が演じているとは思えないという声が多くあがっていました。また実はCMにも多く出演していて、長澤まさみとのコミカルなやりとりが人気の『蚊に効く虫コナーズプレミアム』の相手役も実は中島です。役柄によってまったく違う雰囲気を醸し出すので、気づかない人もいるようですが、逆に言うとどんな役も幅広く演じられるということです」(同)
また、役柄や演技とのギャップを感じさせる“素”の姿もまた魅力となっている。5月22日に生出演した「あさイチ」(NHK)では、話し方があまりにスローテンポだったため、視聴者を驚かせた。MCの博多華丸大吉が「ドラマと口調が全然違う」「こんなにおっとりしてるの?」と突っ込むと、中島が「ゆとり世代ですから」と返答。スタジオは笑いに包まれた。その後も「セリフはなぜ早くしゃべれるんですか?」という問いに「いや、そりゃ仕事ですから」と回答していた。このやりとりはSNSでも話題となり、「ドラマとのギャップがすごい」と、違った一面でファンを喜ばせた。