紅一点のレガレイラ(青帽)はグランプリ連勝なるか
この記事の写真をすべて見る

 JRA上半期の総決算となる「第66回宝塚記念」(芝2200m、GI)は6月15日(日)に開催される。今年は通常の阪神競馬場に戻り、2週間前倒しになるのが大きな特徴だ。

【写真】ベラジオオペラがサイレンススズカよりも優れているところ、それは…

 近年のレース傾向は、言うまでもなく”タカラジェンヌ”の台頭。そう、牝馬の活躍がやけに目立つことだ。ここ10年で8回も馬券に絡み、マリアライト、リスグラシュー、クロノジェネシスの連覇など通算4勝、2着2回、3着も4回ある。

 もっとも、かつて古馬混合中距離GIにおいて牝馬には過酷な時代があった。例えば1989年、前年のオークス馬コスモドリームが果敢に挑戦し、5番人気14着と跳ね返されている。タマモクロスやイナリワンのような野武士がいた時代。当時、スポーツ紙の本社担当で本命を打ったが、あまりにも時代を先取りしすぎていたようだ。

 ブレークスルーとなったのはやはりエアグルーヴからか。97年、この名牝が天皇賞・秋を制覇して以降、スイープトウショウ、ヘヴンリーロマンス、ウオッカなど続々と牝馬が古馬中距離GIを勝ち上がるようになった。

 その意味で今年のレガレイラにも最大限の敬意を払わないといけない。“紅一点”となるが、何しろ、昨年のグランプリホース。ダービー馬ダノンデサイルやベラジオオペラ、アーバンシックなどを下し、3歳の牝馬として実に64年ぶりに有馬記念を制した。

 今回は軽度の骨折明けで半年ぶりとなるが、けがの功名か、程よく充電でき、仕上がりは上々。戸崎圭太騎手は「休み明けを感じさせない。緩さが解消され、スッキリしている」と好感触を伝えている。有馬記念と宝塚記念は相関性が強く、前述のリスグラシュー、クロノジェネシスが両グランプリを制しているのも強調材料になる。

 ただし、有馬記念を勝っての直行は03年シンボリクリスエス5着、05年ゼンノロブロイ3着と大横綱クラスでも勝てていない。道悪は未知ということもあり、ここは、あくまで良馬場を前提とした軸馬と考えたい。

次のページ 取材の感触で「最も怖い」と感じたのは…