晴雨兼用の軸となるとベラジオオペラだ。GI大阪杯勝ちから挑むのは昨年と同じパターン。3着に敗れた昨年と違い、今年は4戦4勝と得意の阪神コース。暑さに弱いロードカナロア産駒だけに2週間の前倒しもありがたい。競走馬も時代の影響を受けるもの。上村洋行調教師は「舞台、状態などすべての面で昨年以上。多少の道悪ならこなせる。中距離王者の貫禄を見せられれば」と意気込む。
さらに鞍上の横山和生騎手が自身の全GI・4勝すべてを阪神でマークしているのも心強い。大阪杯がGI昇格後、宝塚記念との連覇を達成した馬はおらず、16年のキタサンブラックでさえ9着だったが、いまの充実度ならジンクス打破とみる。
2番手グループも逸材ぞろいだが、道悪となった場合にはローシャムパーク、アーバンシックが脱落。この2頭はゲートにも問題があり、評価を下げた。一方でロードデルレイ、ドゥレッツァは有力とみるが、取材の感触で最も怖いと感じたのはヨーホーレイクだ。
大阪杯ではスタートのタイミングが合わず、後方から。直線では絶望的な位置から上がり最速をマークし、3着まで追い込んだ。「五分のスタートでベラジオオペラの直後につけられていたら」と陣営。「老け込んでいるところはないし、この年齢になって、ここまで体が良くなる馬はいままで経験がない」と話す通り、シルエットはGI馬と遜色ない。芝2200mは2戦2勝。屈腱炎から立ち直った不屈の7歳馬に高配を託す。
ヒモ穴は「やっと良くなった」ボルドグフーシュに「この距離は絶対に使いたかった」と話すジューンテイク。ドバイ遠征で心身ともにひとかわむけたメイショウタバルも追加しよう。
馬券は変則の3連単フォーメーションで夢を買う。1着(1)(9)(17)→2着(1)(2)(9)(15)(17)→3着(1)(2)(6)(9)(12)(14)(15)(17)。これで上半期を締めくくりたい。
(文・山本智行)
山本智行/1964年岡山生まれ。スポーツ紙記者として競馬、プロ野球阪神・ソフトバンク、ゴルフ、ボクシングなどを担当。各界に幅広い人脈を持つ。趣味は旅打ち、映画鑑賞、観劇。高校時代は元巨人・川相と投げ合い、B'zの稲葉浩志とは中高の同級生。好きな馬はオグリキャップ、キングヘイロー、ナリタトップロード。
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