
「立憲民主、内閣不信任案見送りで調整」「立民、不信任案見送り論強まる」――。直近のマスコミ各社の報道では、立憲民主党・野田佳彦代表は内閣不信任決議案を提出しないという見方が広がっている。そんな中、11日に開かれた党首討論での野田代表の発言に、大きな注目が集まった。政治ジャーナリストの青山和弘氏が、討論を読み解いた。
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青山氏は開口一番、こう口にした。
「現時点で不信任案提出の線が消えたとみるのは、早計です」
野田代表は10日午後の記者会見で、不信任案提出を判断するタイミングを問われ、「適時だが、適時はもう来週だろう。会期末が22日なのでそれまでの間ということだ」と述べた。青山氏は11日の党首討論時点で不信任案提出の意向をにおわせることはないと、踏んでいた。米国との関税交渉やほかの野党の動向も見ながら、直前に判断を下せばいいからだ。
代わりに同氏が注目していたのが、野田代表が党首討論で石破茂首相に迫る際の“トーン”だ。
「論戦を挑むような対決型か、エールを送るような協調型か、これが大きな焦点でした。対決姿勢を印象づけておけば、のちの不信任案提出に向けた布石となるからです。結果的に、野田代表と石破首相という二人のキャラクターもあって、激しく言葉を戦わせる展開にはなりませんでしたが、野田代表は一定の対決姿勢を見せたと思います」
野田代表は討論中、物価高対策をはじめとしたこれまでの石破政権の対応について、
「(財源を)死に物狂いで探そうとしない姿勢は、私はやる気がないと思いますよ」
「企業団体献金の廃止もしかり、選択的夫婦別姓もしかり、~中略~すべて課題は分かっているけど、先送りか無策。これが石破政権の特徴じゃありませんか」などと厳しい言葉を交えて追及した。