野田代表を「人として尊敬する」石破首相
一方、自民党内からは、野党から不信任案が提出されればもちろん、たとえ提出されなくても首相権限で解散すべきだと進言する声も聞こえてくるという。
今、自民に追い風が吹いているのは間違いない。小泉進次郎農林水産相が主導する備蓄米放出が奏功したこともあり、NHKの6月の世論調査では内閣支持率が前月比6ポイント増の39%、自民党支持率が同5.2ポイント増の31.6%と急激に上向いた。衆参ダブル選に持ち込めば、候補者不足にあえぐ野党は議席を伸ばせない一方、自民・公明は少数与党から脱却できるかもしれない。
しかし直近、石破首相に取材したという青山氏は、「首相は衆参ダブル選挙をやりたいとは思っていない」と話す。
「前回の衆院選から1年も経たないうちに党利党略のために解散するのは、国民の審判を愚弄(ぐろう)することになります。また今の選挙制度の下での衆参ダブル選挙は前例がなく、非常に分かりにくい。まして今は、米国の高関税政策という“国難”に超党派で立ち向かうべき時です。『野田さんは不信任案を出すような真似はしないはず』と期待を持っていました。石破首相は野田代表に対して、党首討論で『政治家として、人として、尊敬する一人であります』と言っていたとおり、けっこう信用しているんです。だけど周りが不信任案提出をあおっているから、もし提出されたら選挙という形で受けて立つしかないと警戒もしている」
夏の参院選は単独で行われるという見方が広がっているが、野田代表、そして石破首相は最終的にどのような決断をするのか。
(AERA編集部・大谷百合絵)
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