DF陣ではインドネシア戦で代表デビューを飾った21歳の鈴木淳之介(湘南ベルマーレ)の好プレーが光った。左CBの位置から持ち味である優れた攻撃センスと配球力をアピール。前半11分には左足での柔らかいクロスで町野修斗のヘディングシュートを演出すると、守備でも対人能力の高さを見せた。
ただ、相手との力関係上、ハイボールへの対処は未知数で、その点ではオーストラリア戦で力強さを見せていた復帰組の町田浩樹(ユニオン・サンジロワーズ)の方が上だろう。また、町田同様にオーストラリア戦で負傷によって途中交代となってチームを離脱した渡辺剛(ヘント)も、ビルドアップには不満が残ったが、高さ、強さは改めてアピール。現在のCB陣には、怪我人も含めて板倉滉、伊藤洋輝、冨安健洋、高井幸大、谷口彰悟、関根大輝らがいるが、鈴木、町田、渡辺も加えた熾烈な争いになりそうだ。
評価が難しいのがFW組だ。オーストラリア戦で1トップでスタメン出場した大橋祐紀(ブラックバーン)は、前線からの守備、プレスバックから、攻撃の際には積極的な動き出しでボールの引き出し方、体の張り方と、それぞれの局面を見れば悪くない働きだったが、無得点のままベンチに下がると物足りなさが覚えた。一方、オーストラリア戦でベンチ外となった細谷真大(柏レイソル)は、インドネシア戦の後半24分から途中出場し、同35分にゴール前でのこぼれ球に反応してA代表2得点目を挙げた。だが、出場時間の短さもあったとはいえ、ピッチイン以降もスタメン出場した町野の活動量の方が目立った点は途中出場した選手としては物足りない。
それぞれ可能性を感じさせながらも「まだ時期尚早」と感じたのが、俵積田晃太(FC東京)、佐野航大(NECナイメヘン)、佐藤龍之介(ファジアーノ岡山)の初招集組の3人だ。
プレー自体は悪くなかった。俵積田はオーストラリア戦で左ウイングバックでスタメン出場して積極果敢に縦突破し、インドネシア戦ではゴールにつながるドリブル突破も見せた。佐野はインドネシア戦の後半16分からピッチに立ち、兄・海舟との兄弟同時出場を達成すると、後半22分にはゴール前でのダイビングヘッドを放つなど得点チャンスにも絡んだ。佐藤はインドネシア戦の後半24分から出場して日本代表のW杯アジア最終予選の最年少出場記録を更新し、18歳とは思えない落ち着いたプレーを見せた。