さらに鈴木唯人(ブレンビー→フライブルク)だ。オーストラリア戦でシャドーの位置でスタメン出場すると、チームの攻撃が停滞する中でも大柄なオーストラリアの選手相手にもほとんど当たり負けせず、フィジカル面の向上をアピールした。自分が欲しいタイミングでパスが来ずに苛立つ場面は目立ったが、前半24分にCKの流れから縦に突破、同28分にはハーフウェーライン手前から素早い反転からの長距離ドリブル、さらには右足シュートとボールを持てば力強い突破で決定機を作り出した。仮にチームとして流れの良かったインドネシア戦に出場していたならばゴールを奪えていたはずだ。

 そのインドネシア戦で左ウイングバックとしてスタメン出場した三戸舜介(スパルタ・ロッテルダム)は間違いなくアピールに成功した一人だ。立ち上がりから積極的に相手DFラインの裏へ飛び出すと、前半15分に右足での高精度クロスで鎌田の得点をアシスト。後半はシャドーの位置にポジションを移し、アグレッシブなプレーで攻撃にアクセントを加えた。ただ、三戸本人が試合後のインタビューで「ウイングバックは初めてやった。アップダウンのところで体が慣れていないところがあった」と振り返ったように守備面は未知数。今後テストを続けたい選手ではあるが、三笘薫、中村敬斗との比較では劣るか。

 ライバル選手との比較、ウイングバックとしての経験値を考えると、復帰組の森下龍矢(レギア・ワルシャワ)の方が本大会のメンバー入りの可能性が高いかも知れない。今季、ポーランド1部で14得点14アシストの活躍を見せた森下は、この日もいぶし銀の働き。前半は大人しく、試合を通しても派手なプレーは少なかったが、しっかりと上下動を繰り返しながら泥臭さと勝負強さをアピール。後半24分には代表出場3試合目での初ゴールもマークした。こちらは堂安律、伊東純也、さらに平河らとの争いになるが、「本気好青年」の異名を持つ森下のポジティブマインドは大会中にもチームのエネルギーになるはず。できることなら選んでおきたい人材だ。

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