
サッカー日本代表“森保ジャパン”は6月5日、10日に2026北中米ワールドカップ・アジア最終予選のラスト2試合を戦い、1勝1敗で終えた。今回、一部主力を温存した中で初招集7人を含めて前回3月シリーズから14人のメンバーを入れ替えたが、果たして収穫はあったのか。戦力テストに臨んだ初招集&復帰組14人のパフォーマンスを評価したい。
【写真】「僕は海外でプレーしたことが無い。だからヨーロッパを知る彼らから学んでいます」と森保監督
オーストラリア戦は相手の守備ブロックの前に攻めあぐねた末に終了間際の失点で0−1という結果になった。ボールを握りながらも外回りのパスが多く、鎌田大地、久保建英、中村敬斗の常連組の存在感が際立つ試合だった。続く6−0で大勝したインドネシア戦でも久保、鎌田が別格の働き。ゴールラッシュが続いた中、後半からは次々と新戦力たちがピッチに立ち、最終的に負傷離脱した熊坂光希(柏レイソル)を除く初招集組6人と復帰組7人全員が2試合の中で出場機会を得た。
その2試合を通して「やはり必要」と思わせたのは、佐野海舟(マインツ)だろう。今季のブンデスリーガで走行距離トップを誇った運動量はさすがで、遠藤航と組んだ2ボランチの守備の安定感は抜群だった。オーストラリア戦は攻撃面で物足りなさを感じたが、インドネシア戦では積極的にアタッキングゾーンに顔を出して攻撃に流動性を生み出し、久保への絶妙の繋ぎのパスで鎌田のゴールのプレアシストを記録した。本大会を見据えても、対戦相手が強くなるほど佐野の“見せ場”は増えるはず。ボランチには遠藤、守田英正、田中碧、藤田譲瑠チマといった人材がいるが、佐野の本大会のメンバー入りは今回の6月シリーズでの招集&出場によって非常に大きくアップしたと言える。
惜敗したオーストラリア戦に、右ウイングバックとして平河悠(ブリストル・シティ)は個人として持ち味を見せ、可能性を大いに感じさせた。武器であるスピードはもちろん、あわやという強烈なミドルシュートを放ってパンチ力もアピール。守備面での貢献度の高さも監督からすれば起用しやすい選手だと言える。