空き地でタワワに咲いていた紫陽花を一輪、花瓶に入れた。梅雨とも友達になれそう(写真/本人提供)

 で、それ以来、そんな「強めの投稿」がどんどん増えたように思う。なんだかコメントも強めなやつが増えた。というか、よく考えたら自分自身が強めな投稿を開きがちな傾向があった気もする。読めば不愉快になるのに、あの人はとうとうこんなことまで言うようになったかとどこか底意地の悪い気持ちでチェックしていた。うっかり何かの広告を一度開いただけで、たちまち狂ったような同種の広告攻勢に晒されるのも不気味だった。要するに、よく考えたら自分の貴重な時間を不愉快色に染めてるだけな気がしてきたのだ。

 で、思い切って使用の一時停止措置を取ったわけです。

 結論から言うと、全くどうってことなかった。旧友とのつながりや、世の人が今何を考えているかを知るツールがなくなることを心配していたが、リアルな世界で人と繋がっていれば何の問題もなかった。商売や政治の世界でSNSが人心を思うままにコントロールするツールとなっている昨今、そこから離れても全然やっていけるとわかって、かなりホッとした。

 とはいえ、今の時代に個人で発信する手段がゼロでいいのかという問題は残る。さて、これからどうしたものか。

AERA 2025年6月16日号

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