巨人・今村(日刊スポーツ)

巨人は得点力不足解消にトレードの可能性

 投手に目を移すと、1軍で実績十分の今村信貴(巨人)、堀瑞輝(日本ハム)、上原健太(同)は今季1軍登板がない。

 巨人はリチャードをトレードで獲得した際、秋広優人と共に左腕の大江竜聖を放出しているため、左腕の今村をトレードの交換要員にするか判断が分かれるところだが、巨人を取材するスポーツ紙記者は「中川皓太、石川達也、バルドナードに加えて、ファームに変則サイドの高梨雄平、ロングリリーフができる横川凱、プロ2年目の又木鉄平と左腕が不足しているわけではない」と指摘する。岡本和真が左肘靭帯損傷で長期離脱した打線は得点力が下がっており、リチャード獲得に続いてトレードを敢行する可能性がある。

 トレード移籍は、選手にとって人生を変えるチャンスだ。中日で1軍定着できなかった郡司裕也は23年途中に日本ハムにトレード移籍すると、昨年は自己最多の127試合出場で打率.256、12本塁打、49打点をマーク。今年は早くも3度のサヨナラ打を放つなど、チームに不可欠な存在になっている。西武時代に打撃の確実性が課題だった若林もトレード移籍した巨人でボール球に手を出さなくなり、今年は打率と出塁率が大幅にアップ。開幕から一度もファームに降格することなく、1軍で奮闘している。

 シーズン後半に向けてどうやって戦力を増強するか。交流戦が進む間に、各球団はグラウンドの外でも戦いを繰り広げている。

(今川秀悟)

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