
ファームでは4割打者だが…
他球団の評価が高い選手として名前が挙がるのが、今川優馬(日本ハム)だ。22年に自己最多の10本塁打を放って頭角を現したが、その後は出場機会が減少。今年はオープン戦で打率.308、1本塁打をマークして開幕1軍切符をつかんだが、11試合出場で打率.143、0本塁打とアピールできず、5月中旬にファーム降格している。イースタンリーグでは打率.408と格の違いを見せていることから、環境を変えれば1軍で活躍する力を秘めている。日本ハムは首位をキープしているが、手薄なリリーフ陣の補強に乗り出す可能性があり、交流戦後の戦力補強が注目される。
能力を生かし切れていないという観点でいえば、濱田太貴(ヤクルト)が当てはまるだろう。広角に長打を放つ豪快なスイングで23年には103試合に出場して打率.234、5本塁打をマークしたが、その後は伸び悩んでいる。今年は開幕1軍入りしたが、10試合出場で打率.059、0本塁打とふるわず4月中旬以降はファーム生活に。イースタンリーグでも打率1割台と結果が出ていない。パ・リーグ球団のスコアラーは「最初に見た時は『凄い選手が出てきたな』と思いましたが、その後は思い切りの良さが失われているように感じます。何かきっかけをつかめば大化けするかもしれない。トレード移籍は選択肢の一つだと思います」と話す。
センターを守れるチャンスメーカーとして計算できるのが、関根大気(DeNA)だ。21年から3年連続100試合以上に出場し、23年は140試合出場で自身初の規定打席に到達し、打率.261、3本塁打、31打点、チームトップの11盗塁を記録した。だが、外野陣は度会隆輝、梶原昂希、蝦名達夫が台頭してきたこともあり、昨年は79試合出場に減少。今年は1試合出場のみだ。
「俊足巧打で自己犠牲の精神が強い選手です。努力家で野球に向き合う姿勢も素晴らしい。DeNAは外野の層が厚いので出場機会に恵まれませんが、29歳とこれから選手として脂が乗り切る時期に入ります。センターが手薄な球団は獲得に乗り出しても不思議ではない」(DeNAの球団ОB)