連敗を7で止め、勝ち投手のアビラと握手するヤクルト・高津監督(日刊スポーツ)
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 ヤクルトが6月5日の西武戦に4-1で勝利し、連敗を7で止めた。前日の試合で14試合連続2得点以下のプロ野球ワースト記録を更新していたが、それもストップ。とはいえ、すでに借金18の最下位で、球団ワースト記録の96敗をした2017年並みのペース。ここから上位に浮上していくのは厳しい状況だ。

【写真】トレード候補に名前があがる巨体の長距離砲候補はこの人

 低迷の要因となっているのが深刻な得点力不足だ。破壊力抜群の打線でリーグ連覇を飾った3年前を考えると、凋落ぶりが目立つ。村上宗隆、塩見泰隆、長岡秀樹と主力が故障で離脱。楽天からFA移籍した茂木栄五郎が奮闘していたが、6月3日の西武戦からは「体の調子がよくない」(高津臣吾監督)として、ベンチを外れた。選手層が厚いチームではないため、打線全体の迫力不足は否めない。

「山田哲人が精彩を欠き、サンタナもコンディション不良で常時スタメン出場できていません。若手主体のメンバーを見ると、1軍で活躍できる水準に達していません。得点力不足に陥るのは必然と言えるでしょう」(ヤクルトを取材するスポーツ紙記者)

 高津監督は現状を打開しようと必死だ。6月3日の西武戦では左の長距離砲・澤井廉をプロ入り初の4番に抜擢。新人の23年にイースタン・リーグで本塁打王を輝いた若武者に期待がかかったが、3打数無安打2三振で途中交代。4日の西武戦は出場機会がなかったが、5日には8番で先発出場し、今季初ホームランを放っている。

「借金をここまで背負い込んでいるので、今年はリーグ優勝どころかCS進出も厳しいのが現実です。ただ、シーズンはまだ90試合以上残っている。救世主となる選手の出現が待ち望まれる中、澤井の抜擢は決して間違っていると思いません。若手の奮起が期待されますが、現有戦力で戦っていくのは正直厳しい。トレードで緊急補強に踏み切る可能性も考えられます」(スポーツ紙デスク)

 前出のスポーツ紙記者もこう話す。

「ヤクルトはリチャード(巨人)がソフトバンクに在籍している時、トレード獲得を模索していることが一部メディアで報じられました。ポイントゲッターになる選手が欲しいところでしょう」(ヤクルトを取材するスポーツ紙記者)

 5月に内外野を守る山野辺翔を西武から金銭トレードで獲得したが、高い得点力は期待できない。苦しいチーム状況を打開するようなトレードの第2弾はあるだろうか。

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