
繰り上げ償還はレアケースではない。「繰り上げ償還のお知らせ」「信託終了のお知らせ」などで検索すれば無数に出てくる。
「ファンドの規模が大きくなればなるほど、組み入れ銘柄を売り買いする際の手数料や為替手数料などのコスト面、運用面の双方でスケールメリットが働きます」
本特集は「S&P500の基本」なのでS&P500寄りで話を進めているが、「米国株が永遠にナンバーワンじゃないかもしれない。米国株100%は怖い」と思うなら「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」を選ぶのもいい。
さて、投資信託をどこでつみたてるか。これは主要ネット証券がいい。
投資信託だけでなく日本株なども含めた金融商品のコストが銀行や大手証券と比べて安いからだ。特に新NISAはほぼ無料。
利息のようなポイント
ネット証券でつみたてると、いいことがもう一つある。ポイントがもらえるのだ。
まず、主要ネット証券5社は各社指定のクレジットカードで投資信託のつみたてができ、買い付け金額に応じてポイントがもらえる。
さらにつみたてて持ちっぱなしにすると、預金金利のように「保有残高に対して◯%(毎月付与)」の形で保有ポイントがつく(保有ポイント対象の投資信託は各社異なる)。
保有ポイントの付与率(表参照)は「eMAXIS Slim」のS&P500で最大0.028%、全世界株式で最大0.0175%だが、残高が大きくなると効いてくる。
保有100万円なら数百ポイントだが、残高1000万円以上になるとS&P500で毎月3000ポイント近くにもなる。
「保有ポイントをもらう」という意味で楽天証券ユーザーは「楽天・プラス・S&P500インデックス・ファンド」か「楽天・プラス・オールカントリー株式インデックス・ファンド」がいいかもしれない。
楽天証券は「楽天・プラス」シリーズの投資信託(全6本)に楽天ポイントを付与している。
もちろん楽天証券でも「eMAXIS Slim」シリーズは買えるがポイント付与はない。楽天・プラスもeMAXIS Slimと同水準でコストが安く、純資産総額も十分に大きい。
取材・文/中島晶子(AERA編集部)、大西洋平

編集/綾小路麗香、伊藤忍
『AERA Money 2025夏号』から抜粋
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