
配当の基準にDOE(株主資本配当率)を挙げている企業も好感。DOEは、株主資本(純資産のうち「株主のもの」である部分。資本金、利益剰余金など)の何%を配当に回しているかを示す指標だ。
株主資本は毎年の利益と違い変動しづらいため、「DOEをベースに配当金額を決定または目標とする銘柄は安定配当が期待できる」とされる。
「同業他社で純利益の額が大きい上位5社の配当性向の平均値よりも高すぎないこと」が長期株式投資さんの基準だという。
純利益が大きい同業上位5社の売上高に対する営業利益率の平均を計算し、その平均値より高い利益を上げているかで判断している。
かぶ1000さんの視点
2人目は株式投資歴35年以上のベテラン、かぶ1000さん。長期株式投資さんと似た部分もある。
「配当性向の水準や減配の可能性に注目して、現在の配当水準をこの先も続けられるかどうかに注目しています。
安定配当が期待しやすいDOE基準の配当目標を設定しているか。
配当はもちろん、自社株買いなど株主還元の方針が中期経営計画などで明確に示されているか。
自己資本比率が高く、財務の健全性に問題がないか」
配当太郎さんは増配率
3人目は、「増配率」などに着目して投資する配当太郎さん。
PER、PBR、ROE(自己資本利益率)といった定番の株価指標を読み解き、調べるという。
ROEは自己資本を使って毎年何%の利益を上げているかを見る指標。一般的に8%以上で合格とされる。ROEが高い銘柄ほど効率的に稼いでいると判断できる。
稼ぐ力がある=配当余力が高いという考え方だ。ちなみに「ROE×配当性向×100=DOE(株主資本配当率)」である。
配当性向、DOE、PER、PBRはその銘柄が属する業界によって違いがある。各指標の業界平均を自分で調べるのは大変だ。そこで、これら4つの33業種平均を次ページで一挙掲載。保存版だ。