ソファにはモノが山積みで、座れるような状態ではなかったリビング/ビフォー
この記事の写真をすべて見る

 5000件に及ぶ片づけ相談の経験と心理学をもとに作り上げたオリジナルメソッドで、汚部屋に悩む女性たちの「片づけの習慣化」をサポートする西崎彩智(にしざき・さち)さん。募集のたびに満員御礼の講座「家庭力アッププロジェクト®」を主宰する彼女が、片づけられない女性たちのヨモヤマ話や奮闘記を交えながら、リバウンドしない片づけの考え方をお伝えします。

【魅惑のアフター】ソファもスッキリ! くつろげるようになったリビング

*  *  *

case.96 片づけ方がわかったら実家もスッキリ   夫・子ども1人/自営業

 結婚や出産などでライフステージに変化が起こると、生活のリズムも変わって落ち着くまでに時間がかかることがあります。そのときに、家の中のことよりもほかのことを優先してしまい、家の中が散らかったまま片づけられなくなってしまった、というお悩みをよく耳にします。

「私はずっと仕事人間だったんです。母が『料理をするよりも仕事を頑張りなさい』と言ってごはんを作ってくれていたので、結婚してからも母と同居しているときは仕事に打ち込んでいました」

 こう話すのは、夫と小さな子どもと3人で暮らす女性。生活の中心にあったのは、いつも仕事でした。それが結婚・出産によって少しずつ変化し始め、1年ほど前にもっと大きく変わる出来事が起こります。母親が亡くなってしまったのです。これまでずっと一緒だった母親がいなくなってしまったことは、彼女にとってこれ以上ない衝撃でした。

 気分はどん底まで落ち込みますが、仕事や日々の生活は待ってくれません。それまで母親が担当していた食事の準備などの家事が、彼女の負担となって大きくのしかかってきました。

「掃除は普通にやっていましたし、食事も作れます。でも、すっかり頼りきっていた分、自分がやらなきゃいけなくなったときに手一杯になってしまいました」

 彼女は「自分だけが忙しい」「なんで私だけこんなに負担しているんだ」と感じるようになり、顔からは笑顔が消えました。口から出てくるのも、家族に向けたトゲトゲする言葉ばかり。

次のページ 冷凍庫が動かなくなり、逆に気持ちが晴れやかに