5月13日のロッテ戦でソト(後方)に本塁打を浴びた楽天・則本(日刊スポーツ)
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 各球団で中堅、ベテランが野球人生の苦境を迎えている。巨人坂本勇人田中将大は状態が上がらずファームで調整中。DeNAの筒香嘉智、中日中田翔も打率1割台と打撃不振で登録抹消された。楽天の投手陣を長年引っ張ってきた右腕も居場所が見いだせなくなっている。34歳右腕・則本昂大だ。

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 則本は開幕投手を務めた新人の2013年から6年連続2ケタ勝利とエースとして活躍してきた。最多奪三振のタイトルを5度獲得、最多投球回を4シーズンで記録するなどスタミナは十分。23年も24試合に先発登板、155イニングを投げて8勝8敗、防御率2.61をマークしている。先発一筋で活躍してきたが、同年オフにチームの絶対的守護神だった松井裕樹がポスティング・システムでパドレスに移籍したことに伴い、当時の今江敏晃監督から守護神への配置転換を打診された。抑えに転向1年目の昨年はリーグ最多の54試合登板で32セーブを挙げ、最多セーブのタイトルを獲得した。

 今年も抑えで勝負する意欲を語っていたが、4月下旬以降はセーブシチュエーションの9回に起用されない場面が続いている。5月1日の西武戦では1点ビハインドの6回に登板。1死満塁のピンチを招いたが無失点に切り抜けた。その後も中継ぎでの登板が続き、13日のロッテ戦では1点リードの6回に登板し、ソトに同点本塁打を打たれた。15日のロッテ戦では4点ビハインドの7回に登板。藤岡裕大の中犠飛で2試合連続失点を喫した。

「投球内容が良くないので、起用法の序列が下がってしまっている。敗戦処理のような起用法をされて、気になるのは則本のモチベーションです。気持ちで投げるタイプですが、マウンド上で躍動感を感じない。実績を積み上げてきた投手なので今の起用法はもったいなく感じます。本来の輝きを失っているので、ファームでコンディションを取り戻し、先発に戻すことを検討したほうがいいと思います」(スポーツ紙デスク)

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