佐藤家の4兄妹。幼い頃はバイオリン、水泳、公文に通っていた。中学受験をして3兄弟は灘、長女は洛南へ進学。現在は全員が医師として働いている(photo 佐藤さん提供)

佐藤ママ「海外進学は考えなかった」

アグネス いいですね。佐藤さんのご家庭では海外大は考えなかったのですか?

佐藤 うちは考えなかったですね。日本で小・中・高と積み重ねてきた教育は、日本の大学入試向けに設計されているので、途中から海外に進学するには、別の準備が必要になってかえって効率が悪いように感じたんです。日本の大学を出て、そのキャリアを持って大学院で海外に行くのでもいいのかな、と思っていました。

アグネス なるほど。正直、息子たちが今日本に戻ってきて日本の会社に入ったとしてもやっていけるかどうかは疑問です。一方で、長男はいま日本や中国、香港などを行き来する仕事をしていて、言葉も文化も理解しているからとても有利です。次男も米国を拠点にしつつ、日本のプロジェクトに関わっています。そういう意味では、いろいろな文化を知っていることは仕事をする上で大きな強みになっているようですね。

佐藤 素晴らしいですね。うちの子どもたちは4人とも東大理Ⅲを出て、今はそれぞれの分野の医学の道に進んでいますが、どこかのタイミングで留学はしたいと言っています。医療の分野は国によって技術も考え方も違いますから、視野を広げる経験は必要みたいです。

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