
高校野球は春季大会、大学野球は春季リーグ戦、社会人野球は都市対抗予選、独立リーグはリーグ戦など各カテゴリーでドラフト候補となる選手がアピールを見せている。甲子園や大学選手権などの全国大会に出場した選手はやはり知名度が高くなるが、その一方で異色の経歴ながら密かにNPBのスカウトが注目しているドラフト候補がいることも確かだ。そんな今後話題となりそうな変わり種のドラフト候補を探ってみたいと思う。
【写真】落ちてよかった? 慶大不合格からセを代表するエースに!
大学生でまず名前を挙げたいのが、中央大準硬式でエースとして活躍している大山北斗だ。興南高校時代は、今年のドラフト1位候補である山城京平(亜細亜大)と二枚看板として活躍。筆者も3年春に出場した九州大会でその投球を見たが、最速141キロという記録が残っている。
大学では準硬式でプレーしながら、着実に力をつけてその最速は150キロを超えるまでになったという。筆者もその実力を確かめるべく、5月5日に行われた春のリーグ戦、対日本大戦に足を運んだが、中1日での登板ながら9回を1人で投げ抜いて被安打2、10奪三振で完封と見事なピッチングを見せた。
180㎝、75㎏と体つきはまだ細く、フォームはテイクバックで少し体をひねるトルネード気味の動きが気になったが、下半身の粘り強さとバネは抜群で、ストレートはコンスタントに140キロ台中盤をマーク。さらにスライダー、チェンジアップ、カットボール、スプリットなど多彩な変化球を見事に操り、高い制球力も備えている。
ちなみに所属している東都大学野球一部の準硬式は甲子園出場経験者も多くプレーしており、レベルは非常に高い。また、打者は金属バットを使用しているということもあって投手にとっても難しい環境だが、大山はそんな中でもこの春のリーグ戦で9試合に登板して3完封、防御率0.71という圧倒的な成績を残しているのだ。既に多くのNPBスカウトも視察に訪れているということで、プロ志望となればドラフト指名の可能性も十分にありそうだ。