水野美紀

最終目標は「俊敏なおばあちゃん」

大河ドラマだけでなく、最近は他の出演作でも好演が続いている印象です。昨年放送された『離婚しない男 ‐サレ夫と悪嫁の騙し愛‐』では、伝説のAV監督・村西とおるさんような丁寧語混じりで際どい話し方をする弁護士役を演じ、彼女から繰り出された“おせっくす”という言葉が世間をザワつかせました。一方、ドラマ『星降る夜に』や『となりのナースエイド』では、ポジティブで陽気な遺品整理会社の社長役や統合外科のベテランナースエイド役なども好演しました。奇抜な役から善人までしっかりと演じられるところは大きな強みでしょう」(同)

 今後もますます独自のポジションを築いていきそうだが、民放ドラマ制作スタッフはこう言う。

「水野さんは最近、女優の最終目標として『俊敏なおばあちゃん』を目指しているとインタビューで明かしています。身体能力の高いおばあちゃんになり、最初はヨタヨタと歩いていたのが突然キレのいいアクションを披露したりと、あっと言わせるような面白いコメディーをやりたいと語っていました。それに向けて体を鍛えつつ年齢を重ねていきたいそうです。そんな展望があるところをみると、年を取ってもハマり役に巡り合えそうですし、これからもさまざまな作品で重宝されると思います」

 芸能評論家の三杉武氏は水野についてこう評する。

「水野さんは所属事務所からの独立騒動もあり、一時期は露出を減らしましたが、近年はドラマや映画だけでなく、トークバラエティーや報道番組にも出演するなど、再びマルチな活躍を見せています。一方、小中学生の時に地元で中国武術を習い、上京後も倉田保昭さんが創設した倉田アクションクラブに通って本格的な修行に励んでいた経験もあり、アクションには定評があります。ドラマ『絶対零度~未然犯罪潜入捜査~』ではスカート姿での華麗な回し蹴りを披露して話題になり、2014年には『ベストアクション女優賞』の最優秀賞も受賞しています。もともと等身大の女性役から悪役、そしてアクションもこなす稀有な俳優でしたが、『べらぼう』での味のある演技はさらなる進化を感じさせました。今後もどんな姿を見せてくれるか楽しみです」

 アラフィフ女優の中でも、唯一無二の存在感を放っている水野。今度もどんな“怪演”でお茶の間を沸かせるのか楽しみだ。

(丸山ひろし)

こちらの記事もおすすめ 老けメークに村西とおる口調…不倫ドラマで再び怪演「水野美紀」のぶっ飛びが止まらない
[AERA最新号はこちら]