
中日で想定外のアクシデントが続いている。
遊撃のレギュラーとして期待された村松開人が、4月23日の巨人戦で途中交代し、「右内腹斜筋損傷」で戦列を離れた。この試合に先発登板した柳裕也も5回途中で右肩を気にする仕草を見せ、その回限りで降板。今季は防御率0.72と抜群の安定感で先発の柱になっていたが、村松と共に翌24日に登録抹消された。さらに、主砲の細川成也が右太もも裏を痛めて5月5日に登録抹消。1軍復帰には1カ月半以上かかる見込みとなっている。主軸として計算していた福永裕基も右膝内側側副靱帯損傷で長期離脱中。開幕から4番で起用していた石川昂弥も打撃不振で現在はファーム調整中だ。井上一樹監督は打線の構築に頭を悩ませているだろう。32試合で69得点はリーグワーストだ。
「打線の軸として考えていた選手が次々に抜けるので苦しい。ソフトバンクから移籍2年目の上林誠知が奮闘していますが、打線全体を見ると迫力不足が否めません。投手陣もエースの高橋宏斗が防御率4.17とピリッとしない。救援陣の安定感はリーグ屈指なので、先行逃げ切りの試合展開で白星を積み重ねたいですね」(スポーツ紙デスク)
ホームの観客動員数は12球団で4位
投打で役者がそろっていると言えない状況で、チームは現在借金2の5位。そんな状況なのに驚かされるのは、中日ファンの熱気だ。
今年のホームゲームの観客動員数は17試合を消化した5月7日時点で1試合平均3万3571人。巨人、阪神、ソフトバンクに次ぎ、12球団で4番目に多い数字だ。
ゴールデンウィークが明けた7日のナイターは各球場で集客に苦戦した。ヤクルト―広島戦(神宮)は2万5588人、パ・リーグ首位攻防戦となったオリックス―日本ハム戦(京セラドーム)は2万5570人と前日の試合より1万人近く減らした。その一方で中日―DeNA戦(バンテリンドーム)は3万6290人の満員御礼に。チームはこの試合まで4連敗していたが、ファンの大声援を背に受けて2-1で逃げ切った。
スポーツ紙記者はこう語る。
「普通は勝てない時期が続くと客足が遠のくんですけど、中日の場合は違う。チームの勝利を当然願っていますが、低迷期が長く続いているので、『勝っても負けても応援する』ファンが多いように感じます」