そもそも日本の車道は危険すぎる
そもそも車道に出ようにも、車道の左端は違法駐車だらけで、それを避けて走らねばならない。中には自転車専用レーンを塞ぐようにして駐車している車もあり、危なくて仕方がない。まずは違法駐車の取り締まりが先決だろう。
さらにいうなら「自転車走行スペース」の整備が欧米他国に較べて貧弱すぎる。ママチャリライダーたちが「恐くて車道が走れない」と感じるのは、今のままでは当たり前なのだ。
それに「運が悪かった」などという取り締まりは、最悪最低の取り締まり方だろう。摘発された人は「今後はこうしよう」「安全のために」と思うだろうか。絶対に思わない。
そもそも今回の青切符は「自転車事故を減らす」のが目的のはずなのに、今回の青切符案は、その目的に合致しているとは思えないのだ。
「絶対ダメなヤツ」から取り締まるべき
今回の青切符導入に際して一番必要なのは、取り締まりのメリハリである。
事故に直結する危険な違反は、厳然としてある。それは「スマホながら」「逆走」「信号無視」「遮断踏切侵入」などだろう。必要なのは、どうしてもこれだけは摘発しないと事故が減らないという「絶対ダメなヤツ」の選別だ。そういうのを、3つ、4つ指定して、そこを重点的に取り締まることだろう。
歩道走行や、併走、傘差しなどは「しないに越したことはない」が、今はまだいい。だいたい113項目もの違反行為を誰が覚えられるというのか。取り締まる現場の警察官に、傘スタンド「さすべえ」はどうなのか、イヤホンの解釈はどうか、私の前で説明してみろと言いたい。
そしてなにより「違法モペッド」の問題はどうなのか。街中に電ジャラス自転車が蔓延しているのを放置して「歩道走行の取り締まりです」なんてどうかしているとしか思えない。
刃物を持った殺人鬼が街中で徘徊しているのに、立ち小便を取り締まってる警官がどこにいる。
私が考える青切符取り締まり重点項目はこの5つだ。
(自転車評論家:疋田 智)
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