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 警察庁は2026年4月から、自転車の交通違反に対して「青切符」を導入する方針だ。反則金の対象として、スマホの「ながら運転」や信号無視など113の違反行為が挙げられている。自転車評論家の疋田智さんは「事故に直結する危険な違反を重点的に取り締まるメリハリが必要だ」という――。

確かに「危険自転車」は目に余る

 4月24日に警察庁から「自転車のルール違反にも青切符を導入し、反則金を徴収する」とのリリースが出された。5月24日までパブリックコメント(意見公募)を実施したうえで、来年4月1日から運用を始める方針だ。

 この連載でもたびたび書いていたとおり、私は「導入やむなし」と思う。というより個人的に大賛成だ。自転車のルール違反はこのところ目に余るから。その結果、交通事故の中の自転車事故の率は、このところうなぎ上りとなっている。

 今回の警察庁案は113項目の具体例について、反則金の額が提示された。

 発表当日は、テレビのニュースやワイドショーで流れ、翌朝の新聞にもかなりの大きさで報じられた。

「スマホを見ながら」で1万2000円

 自転車の「青切符」の反則金額は原付バイクをベースとしたとのこと。違反内容に応じて3000円から1万2000円だという。

 いくつか見ていこう。最高額は、スマホがらみだ。

▼ 携帯電話使用等(保持)1万2000円

 じつはスマホながら運転は「事故に結びつくような危険な運転」の場合、赤切符が切られるという。赤切符すなわち刑事処分である。この青切符は「そこまでじゃないが、とにかくスマホ見ながらはダメ」ということらしい。

その他、金額ごとに見ると、こんなところになる。

▼ 信号無視、逆走、歩道走行は、6000円
▼ イヤホン着用運転(必要な音が聞こえない状態で運転する行為)や傘差し運転、一時不停止、車間距離不保持は、5000円
▼ 並んで走る行為や2人乗りは、3000円

……など。

 こういうのが113項目ある。私はこれらを見ているうち、次第次第に「あ、ダメだ、これは」と思ってきた。

警察庁「自転車をはじめとする軽車両の反則行為と反則金の額」より編集部作成(プレジデントオンライン提供)
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