指導者自身が積極的にサングラスをかけて、紫外線から目を守る姿勢を見せているという(写真提供・雷サンダース)

 男性はその以前から、夕方になると目を充血させている子が気になっていた。自身も学生時代から陸上競技をしており、サングラスをかけると疲労感が軽減され、集中力も高まることを実感していた。

「紫外線の量は、我々が子どもの頃よりも明らかに多くなっています。『夏になったからかける』ではなく、冬も紫外線量はゼロではないので、常にサングラスの着用を推奨しています」
 

「紫外線から目を守る。これは本当に大事なこと。大人が子どもたちの目を守ることが当たり前になってほしい」

 北海道の学童野球クラブ「札幌イーストフォース・ジュニア」の代表兼監督の田中勇貴さんも、こう話す。

 北海道といえども夏は暑く、紫外線も強い。田中さんも屋外で試合や練習をする子どもたちの目が赤くなっていくさまを見て、チームとしてサングラス着用を勧めることにした。保護者の多くも賛同してくれた。

 サングラスをかけると「格好つけている」と見られたり、プレー中に見づらいという声があったりする。子どもの着用は任意としているが、指導者が積極的につけることで「サングラスをかけてもいいんだ」という雰囲気を作っているという。

 サングラスが割れて怪我をする心配も理解できるが、「その危険性よりもはるかにサングラスをつけない方がリスクは大きいと思っています」と田中さん。

「熱中症対策で首にかける冷却グッズが定着していったように、目の紫外線対策でサングラス着用が定着していったらと願うばかりです」
 

紫外線による「将来」の影響は

 目に紫外線を受けることは、具体的にどんなリスクになるのか。

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