
今年の5月ゴールデンウィークも最終日を迎え、プロ野球ペナントレースもいよいよ佳境。GWといえば、かつて5月の3連休の3日間だけ活躍し、「神のお告げ」という驚くべき理由で電撃引退、帰国した虎の助っ人、マイク・グリーンウェルを思い出すファンも多いはずだ。
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レッドソックス時代に通算打率.303、130本塁打、726打点を記録し、“ミスター・レッドソックス”と呼ばれたスーパースターは、1996年オフ、高額年俸がネックとなり、12月になっても契約を更新できないでいた。
そんな実質解雇状態のグリーンウェルにラブコールを送ったのが、巨人にFA移籍の清原和博に代わる4番の補強が急務の西武だった。
だが、西武入団がほぼ決まりかけた矢先、清原争奪戦で巨人に敗れた阪神が球団史上最高額の年俸300万ドル(当時のレートで約3億6000万円)の2年契約を提示して逆転。2年連続最下位に沈んだ“虎の救世主”として大きな期待をかけた。
破格の高年俸に加え、来日後の住居も、神戸市内の超高級マンションの3LDK2戸をぶち抜いた総面積200平方メートルの超豪華版。グリーンウェルの7文字を入れるために甲子園の電光掲示板を改修するなど、スケールの大きな話題が紙面を賑わせた。
本人も「まずはタイガースの勝利に貢献することだ。結果として素晴らしい成績が残せれば、それが最高なんだ」と頼もしい言葉を口にした。
だが、2月1日にキャンプイン後、わずか10日で「私は農場とアミューズメントパーク、レーシングチームを持っている。ビジネスの用事があるんだ」という理由で一時帰国してしまう。
フロリダ州の自宅は甲子園22個分の広さで、敷地内には牧場や「マイク・グリーンウェルズ・ファミリー・ファン・パーク」と命名されたアミューズメントパークなどがあった。これらの副業は、現役引退後には本業になるため、途中離脱を認めることも契約条項に含まれていた。