10週間後には職場に復帰。今後は残業時間をコントロールするように助言して、治療終了となりました。
【Bさんの診療のポイント】
パニック障害に対してよく使われる漢方薬は、抑肝散と抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)です。
しかしBさんの場合、それを引き起こした原因は過敏性腸症候群です。このため原因のほうにアプローチして、胃腸の調子を整える芍薬などが配合された桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう)を処方しました。胃腸の調子が安定したことで、「また電車でトイレに行きたくなったらどうしよう」という不安感が和らぎ、パニック障害の症状も落ち着いていきました。

※『メンタル漢方 体にやさしい心の治し方』(朝日新聞出版)から一部抜粋