2歳頃の武内陶子さん(本人提供)
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 わが家、ただいま昭和が大ブームです。少し前から日本のシティーポップが世界中ではやったりしていますが、うちの中学生の娘たちがラッツ&スターの「め組のひと」を口ずさんで「ウワサはしるよ、めッ!」ってフリつきで歌っていたり、カラオケで松田聖子の「青い珊瑚礁」を入れてきたり、今っていつの時代だっけ??と思っちゃうほど(いや、聖子ちゃんは永遠だけれども!!)。K-POPアイドルもこぞって日本の昭和の歌謡曲をコンサートでカバーしたりしています。いずれもSNSで大バズりして子どもたちが歌う……という構図だったりするのですが、誰も教えていないのにいきなり現れる昭和現象に驚いてしまいます。

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 昔も今もリバイバルブームってあるよねえ、とも思ったりするのですが、その昔、私たちが昔の流行歌を聴いて「懐メロ」と称し、古い歌だなあと思っていたのとは違うようなのです。昭和の歌謡曲はちっとも古びていないというか、かえって新しいというか。どの曲も「イントロドン!」ができるわかりやすさで、一度聴いたらすぐ覚えられる。結果、今の子どもたちの心にも刺さるようなのです。そしてSNSの時代、あっという間に世界中の人たちに広がっていくという、いやはやすごい時代。とはいえ、「青い珊瑚礁=松田聖子」というところはあまりつながっていないらしく、「え? これって松田聖子さんの歌だったの?」って感じではあるのですが。

 さて、昭和の時代を生きてきた私は4人姉妹なのですが、集まるとあの頃の懐かしい話題に花が咲きます。

 うちの母の実家は岡山県倉敷市にあります。水島コンビナートに程近い玉島という瀬戸内の海に近い街。焼き抜きのかまぼこが有名で、「良寛さん」が修行していた円通寺というお寺があります。私は小さい頃、愛媛県の最南端の愛南町というところに住んでいたので、夏休みになると車に乗ってえっちらおっちらいくつもの峠を越え、9時間くらいかけて香川県の丸亀から水島へフェリーに乗って倉敷に渡りました。

 おばあちゃんの家はまるで「サザエさん」の家のような造りで、ガラガラっと玄関を開けるとたたきが広がり、よいこらしょと「上がりかまち」を一段上がって家の中に入ります。あっ、上がりかまちと聞いてすでに何だかわからない方は、ぜひ「上がりかまちとは?」と検索してみてくださいね(笑)。

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