ダブルボランチの一人目は、熊坂光希(柏レイソル)だ。2001年4月15日生まれの23歳。大卒1年目でリーグ戦出場10試合だった昨季から、今季はリカルド・ロドリゲス新監督の元で魅力的な攻撃的サッカーを展開しているチームの心臓としてプレーし、全試合にスタメンフル出場して早くも1年目の出場数に並んだ。魅力は、優れた戦術眼と豊富な運動量に身長185cmのサイズ感。相手の攻撃の芽を摘みながら、DFラインからのボールの出口となり、自らターンして前に持ち運ぶプレーは魅力たっぷり。年齢的にもさらなる飛躍が期待される。
2人目のボランチには、宇野禅斗(清水エスパルス)を指名する。2003年11月20日生まれの21歳。青森山田高校出身の“ボールの狩人”は、育成型期限付きから完全移籍に移行した今季、開幕からマテウス・ブエノとのコンビで中盤で絶大な存在感を発揮している。これまでJ1での実績は少なかったが、持ち前のボール奪取力だけでなく、攻撃面でもピッチを幅広く動き回りながらパス&ドリブルで一気に攻撃を加速させる場面を増やし、進化した姿を見せている。
右ウイングバックは、須貝英大(京都サンガ)だ。1998年10月27日生まれの26歳。明治大から加入したJ2甲府で活躍して鹿島に引き抜かれたが、自身の力を発揮し切れずに京都に移籍した。開幕前の時点ではスタメン候補の立ち位置だったが、第2節から主に右SBとして出場すると、圧巻のスピード&スタミナでサイドを上下動し、第9節の鹿島戦、第10節の湘南戦では連続アシストをマーク。第10節終了時点での総スプリント回数はリーグ断トツトップの242回(2位は藤井智也の228回)を誇る。
左ウイングバックは、加藤聖(ファジアーノ岡山)を選びたい。2001年9月16日生まれの23歳。J2長崎から2023年夏に横浜FMに移籍するもレギュラーの座を奪えず、J1初昇格した岡山へと活躍の場を求めた。すると、開幕戦でCKから精度の高い左足キックでクラブのJ1初ゴールを演出し、その後もスタメン出場を続けると、第8節のC大阪戦でも美しい軌道でのアーリークロスで18歳・佐藤龍之介のJ1初ゴールをアシスト。その“メモリアル”な左足で10節終了時点で4位に付けるチームに貢献している。