
2025年のJ1リーグは先週末に第10節を終えた。例年以上の大混戦の序盤戦となっている中、開幕前の期待値を上回る“サプライズ”な活躍を見せている選手たちをベスト11(システムは今季のJリーグの主流と言える3-4-2-1で選びたい)の形で紹介したい。
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GKは村上昌謙(アビスパ福岡)だ。1992年8月7日生まれの32歳。これまで全日本大学選抜に選ばれたのみで代表歴はなく、福岡の正GKに抜擢されて以降も地味な存在で今季も開幕3試合はベンチに座った。だが、第4節からゴールマウスを守ると“神セーブ”を連発すると、チームは7戦負けなし(6勝1分け)でついに首位奪取を果たした。スタッツ的にもJ1トップのセーブ率86%を記録し、サポーターから“村神様”として崇められる存在となっている。
左CBは高木践(清水エスパルス)だ。2002年3月14日生まれの23歳。大卒1年目だった昨季も即戦力として働いたが、自身J1初舞台となった今季はさらにスケールアップした。身長173cmながら非常に高い身体能力を持ち、4バックの際にはSBとしてもプレーしながら、力強くダイナミックなプレーを披露している。数字的には、ここまでリーグ戦9試合に出場して1得点2アシストをマーク。鋭い出足で、今季ここまでのインターセプト7回はリーグトップタイだ。
中央のCBは、安藤智哉(アビスパ福岡)を選ぶ。1999年1月10日生まれの26歳。J3今治、J2大分を経て今季自身初のJ1挑戦となった男に対して開幕前の注目度は低かったが、第2節以降スタメンフル出場し、武器である190cmの高さで大活躍している。DFラインの要として相手の攻撃を跳ね返すだけでなく、第6節のFC東京戦では後半終了間際にダイビングヘッドで劇的な決勝ゴールをマーク。続く第7節の町田戦でもゴールを決め、ヘッドギア姿も話題となった。「ドゥー」の愛称とともに、サポーターの心を、強く、熱く、掴んでいる。
左CBには鈴木淳之介(湘南ベルマーレ)を選びたい。2003年7月12日生まれの21歳。元々はMFだったが、昨季途中にCBにコンバートされて飛躍を遂げると、今季も精度の高いパスとタイミングの良い持ち運びを織り交ぜた抜群のビルドアップ能力で、欠かせない戦力として機能している。スタッツ的にも1試合平均タックル数がリーグ2位、そしてデュエル勝利総数39回はリーグトップ。代表歴もないために全国的な知名度は低かったが、このままハイパフォーマンスを続ければ“お呼び”が掛かるかも知れない。