2シャドーの1人目は、北野颯太(セレッソ大阪)だ。2004年8月13日生まれの20歳。クラブの下部組織育ちの秀英アタッカーで2022年にルヴァン杯のニューヒーロー賞を受賞した男だが、直近2年間は停滞していた分、今季の覚醒は驚き。大阪ダービーとなった開幕戦で衝撃の2ゴールを奪うと、その後も好調をキープして出場10試合で4得点2アシストをマークしている。その攻撃面だけでなく、総走行距離がリーグ3位で、こぼれ球奪取総数がリーグ1位と献身性もアップしている。
シャドーの2人目は、長谷川元希(アルビレックス新潟)だ。1998年12月10日生まれの26歳。J2甲府で活躍を続けた後に昨季新潟に加入したが、自身初のJ1舞台ではリーグ戦18試合で1得点のみ。だが今季は現時点で出場10試合で4得点。第5節・東京V戦での右足ボレー弾、第9節・神戸戦でのコントロールショットなど、鮮やかなゴラッソ弾で自身の才能を存分に見せ付けている。現在チームは19位と低迷しているが、試合内容は悪くない。絶好調のファンタジスタのさらなる爆発に期待したい。
多くの候補がいる1トップは、ルカオ(ファジアーノ岡山)を選んだ。1995年9月22日生まれの29歳。2019年夏の来日以降、J2、J3のクラブを渡り歩いてきた身長191cm、体重91kgの巨漢ブラジル人FW。昨季のJ1昇格プレーオフから今季開幕前のキャンプでもその強靭なフィジカルが話題となっていたが、開幕後も驚きのプレーを披露している。特に第10節の広島戦で相手2人を吹き飛ばした“ゴリ押し重戦車”ぶりは圧巻のひと言。一美和成との併用起用が続くが、ピッチに立った時のインパクトは特大だ。
その他、新天地で奮闘している小泉佳穂(柏レイソル)や小池龍太(鹿島アントラーズ)、見木友哉(アビスパ福岡)、圧巻のスピードと強烈なシュートを見せつけた大卒ルーキー・中村草太(サンフレッチェ広島)、昨季以上に成長した姿を見せている福田翔生と鈴木章斗(ともに湘南ベルマーレ)、マテウス・ブエノ(清水エスパルス)、ネタ・ラヴィ、イッサム・ジェバリ(ともにガンバ大阪)などもサプライズの11人の中に入れたかったが、元々の期待値の高さなども鑑みて、惜しくも選外とした。
もちろん、期待通りの働きを見せている選手たちは頼もしいが、新たな風を感じる瞬間、予想を覆すサプライズな発見は、ファンの醍醐味でもある。そして、その感性、評価軸は人それぞれ。是非、自分自身で新たな“推し選手”を見つけてもらいたい。
(文・三和直樹)