
AERAの連載「はたらく夫婦カンケイ」では、ある共働き夫婦の出会いから結婚までの道のり、結婚後の家計や家事分担など、それぞれの視点から見た夫婦の関係を紹介します。AERA 2025年4月14日号では、プライスレスモメントの早坂華乃さんとパンゲアの早坂泰彦さん夫婦について取り上げました。
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2008年、夫35歳、妻30歳で結婚。14歳と11歳の息子2人と、犬(トイプードル)3匹と暮らす。
【出会いは?】2003年の終わりに、NPO「コモンビート」が主催するミュージカルのプログラムで出会う。
【結婚までの道のりは?】夫がまず、妻は自分のことを好きだと勘違いし、妻も、夫の好意を感じ始める。その素敵な勘違いがきっかけで距離が縮まり、出会いから2カ月後に交際に発展し、5年後に結婚。
【家事や家計の分担は?】手が空いている人がやるべきことをするのが基本。夜仕事に行く夫は日中に夕食を作り、掃除は妻がすることが多い。お財布は別々で、家計管理は特にしていない。
妻 早坂華乃[47]プライスレスモメント 代表取締役 フォトグラファー
はやさか・かの◆青山学院大学大学院修了後、外資系リスクコンサル会社に勤務し、東日本大震災を機に退職。2015年に起業し、現職。主に起業家や著者を撮影。養成講座も行い、著書『フォトグラファーのためのブランディング撮影の教科書』(日本写真企画)を出版
よくぞ、私と離婚しないでいてくれた……。そう思わずにはいられないほど、私の心が壊れかけた時期があります。それは、次男が重度のアトピーに悩まされていた0歳から3歳までのこと。次男は夜も痒くて起きるため、私も2時間以上まとめて眠れませんでした。夫は私を休ませるため、仕事から帰宅するなり子守を交代し、いつか必ず治ると励ましてくれました。その夫に、それはいつよ、と噛みつく私。夫の疲れを労う余裕はなく、それでも夫は隣に居続けてくれました。
あの3年間、私は次男が治ったら絶対家族写真を撮るんだ!と思い続けていました。実際には、治りかけてきた段階で嬉しさの余り、次男と2人だけで写真館に行きましたが(笑)。これが家族写真という幸せの象徴に魅了された出来事で、フォトグラファーになって10年が経つ現在も、家族写真はライフワークとして撮影し続けています。
かつての私も今の私も、全力で支えてくれる夫。人生の同志として頼りにしています。