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 花粉症と食べ物にはどんな関係があるのか。耳鼻咽喉科専門医の村川哲也さんは「花粉症の人が食べると、ほかのアレルギーを引き起こすおそれがある食べ物がある」という――。

※本稿は、村川哲也『子どもの一生を決める花粉症対策』(小学館クリエイティブ)の一部を再編集したものです。

栄養バランスの取れた食生活が大事

 じつは、腸内環境が悪化すると、花粉症にかかりやすくなったり、重症化するおそれがあります。腸内環境が悪化する原因には、ストレス、加齢などがあげられますが、脂っこい食事や野菜不足も影響するとされています。

 腸内環境を乱す食べ物の代表例が、トランス脂肪酸が多く含まれているジャンクフードです。ポテトチップス、ポテトフライ、ハンバーガー、フライドチキンなどは高脂質の上、塩分も多く、食べ過ぎると花粉症になりやすいだけでなく、肥満になるなど体に悪影響を及ぼします。

 当たり前かもしれませんが、栄養バランスのとれた食生活を送ることが何よりも大事になります。

 そのほかに、花粉症の人が食べると、ほかのアレルギーを引き起こすおそれがある食べ物もあります。

 ビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富で栄養価も高い野菜や果物ですが、意外にも花粉症にとって良くないものがあります。その一つがトマトです。

トマト、メロン、スイカには要注意

 スギやヒノキの花粉症の人がトマトを食べると、唇が腫れたり、口の中がピリピリしたり、のどがイガイガしたりすることがあります。これを「口腔アレルギー症候群」といい、スギやヒノキに含まれるタンパク質と、トマトに含まれるタンパク質が似ているために起こる症状です。

 ただし、口腔アレルギー症候群を引き起こすタンパク質は熱に弱く、加熱すると症状が出ないこともあります。ただ、100%出ないわけではないので、少しでも気になる症状が出たら、子どもにトマトを食べさせるのは控えましょう。

 次に、気をつけなければならないのは夏においしいメロンやスイカです。スイカは水分が多くカリウムが含まれるため水分補給に適しており、メロンもカリウムのほか、ビタミンC、葉酸など体に良い栄養素が含まれた食品ですが、カモガヤやイネ科の植物の花粉症がある場合は、口腔アレルギー症候群を起こすことがあります。

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