息子さんが、生き苦しさを感じているかどうかが重要なのですが、もし、息子さん自体が、現状を変えたいと少しでも思っているのなら、心療内科やメンタルクリニック、精神科を生きるさんと一緒に訪ねるのがいいと思っています。

 でも、息苦しさを感じていても、病院に行こうと言うと、嫌がる場合もあります。日本では、まだまだ、精神的な問題に関して偏見が強く残っていたりしますからね。

 そこで、単なる口げんかにならないように、生きるさんと夫は、二人で「発達障害グレーゾーン」に関して、知識を増やしてください。信頼できるネットの文章や書籍を読んで、「息子は、発達障害グレーゾーンの可能性が高い」と思えれば、息子さんがどんなに嫌がっても、粘り強く説得できると思います。

 とにかく診察だけ受けてみよう。違っていたらそれでいい。

 そう粘り強く言うのです。

「こんな息子などいっそ消えてくれればいいとさえ思ってしまう」と書く生きるさんは切羽詰まっていると感じます。最悪の結果、息子さんと暴力的なぶつかり合いなどが生まれる可能性もあります。

 その前に、どうか夫と二人で、息子さんの状態を知ることから始めてみることをお勧めします。

 もし、発達障害グレーゾーンではないと診断されたら、そこから、また次のステップに進めばいいのです。引きこもりの予備軍にどう対処するか、どう息子さんの生活を作っていくかなどは、専門家の人がたくさんいます。次のステップでは次のステップの知恵を借りましょう。

[AERA最新号はこちら]