練習試合で登板する中日の根尾昂
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 プロ野球が開幕した。各球団がリーグ優勝を目指す中、3年連続最下位に低迷した中日も巻き返しに燃える。井上一樹監督が新しく就任し、各ポジションで熾烈な競争が繰り広げられている。そんな中で、この右腕の名前が聞かれなくなった。オープン戦で登板なしに終わり、開幕2軍スタートとなった根尾昂(24)だ。

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「故障で離脱していたわけではありません。2軍キャンプでアピールできればチャンスはありましたが、実戦登板で制球が安定せず、四球や安打を許してピリッとしなかった。他の投手と比較した上で、オープン戦でチャンスを与えられる水準に達していなかったのが実情です」(中日を取材するスポーツ紙記者)

 22年のシーズン途中で野手から投手に転向。救援登板を重ねながら先発ローテーション入りを目指していたが、23年は1軍登板2試合のみ、昨年は3試合のみとシーズンの大半をファームで過ごした。今年は救援に配置転換され、新たな役割で結果を出そうと必死だ。

 3月に入り、状態は上がってきている。23日のウエスタンリーグでの阪神戦では、1点差に迫られた8回1死一、三塁で登板。一人目の打者を遊ゴロに打ち取った間に三塁走者の本塁生還を許したが、続く打者を一ゴロに抑え、同点で踏みとどまった。

 他球団は根尾にどのような印象を抱いているか。ファームで対戦した球団の首脳陣はこう語る。

「個人的には3年前、投手に転向したばかりのときのほうが荒々しさを感じましたね。『野手投げ』と言われていましたが、投球フォームはそれぞれです。今のフォームはまとまっていますが、怖さは以前よりないかな。制球力が多少アバウトでも球の力で押し込める直球を持っているほうが大きな魅力だと思います」

 根尾は投手に転向した22年には、最速153キロを計測するなど、常時150キロ級の直球を投げていた。だがその後、フォームの土台作りから見直し、球の質にこだわった。手元でホップするような軌道の快速球を投げる村上頌樹(阪神)を参考にしたが、なかなか結果が出ない。現在の直球は140キロ台後半。もちろん、球速表示がすべてではないし、村上のように140キロ台後半でも、打者が球速以上の速さを感じる直球を投げる投手はいる。

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