
開幕を控え、野球解説者の順位予想がメディアで取り上げられているが、パ・リーグはリーグ連覇を狙うソフトバンク、昨年2位に躍進した日本ハムの優勝争いを予想する声が多い。対照的に下馬評で下位に予想されているのが西武だ。昨年は球団ワーストの91敗を喫し、首位ソフトバンクから42ゲーム差、5位のオリックスからも14ゲーム差と屈辱的な最下位だった。野手の若返りが進まず、得点力不足が課題となっている中で、今年も優勝を目標に掲げる段階に到達していないという分析が多い。
【写真】オープン戦で活躍した新外国人のネビン。シーズンではどうだろうか?
ただ、現場の見方は違う。パ・リーグ他球団の打撃コーチは警戒を強める。
「個人的に厄介なチームが西武ですね。元々投手陣はいい。打てないと言われますが、野手陣には好素材の若手が多い。古賀悠斗、西川愛也、長谷川信哉、滝澤夏央、蛭間拓哉はチームの主力になれる能力を持っていますし、セデーニョ、ネビンの両外国人がシーズンを通じて稼働すれば昨年のような低迷はないでしょう。3位以内のAクラスに入ってくる可能性は十分にあります」
投手陣はリーグトップクラス
昨年は最下位に低迷しながらも、先発の防御率3.02はリーグ2位だった。大黒柱の高橋光成が0勝11敗の大誤算で、平良海馬も故障の影響で5試合の先発登板にとどまったにもかかわらず、先発陣が崩れる試合は少なかった。今年も先発陣のコマはそろっている。高橋、今井達也、隅田知一郎、渡邉勇太朗、與座海人、菅井信也に加え、昨年10勝を挙げて新人王に輝いた武内夏暉、21年に2ケタ勝利を挙げた実績を持つ松本航が故障から復帰すればさらに厚みが増す。
昨年は不安定だった救援陣も、平良を守護神に配置転換したことで立て直しが進む。セットアッパーは新外国人右腕のウィンゲンター、甲斐野央、佐藤隼輔、羽田慎之介ら球速が常時150キロを超える投手たちをそろえている。
今年のオープン戦の成績をみると、チーム防御率1.96は12球団トップ。4試合連続完封勝利も記録したが、これは1995年のオリックス以来30年ぶり史上2度目の快挙だった。公式戦とオープン戦は別物とはいえ、今年も投手陣はリーグトップクラスといえるだろう。