売り場を魅力的に

 BFCは、書店で実施されているフェアを広く世に発信し書店への来客を増やすこと、本の売り手である書店員の企画意欲を掻き立てて書店の売り場がより魅力的なものになること、さらにその情報を書店の垣根を越えて共有し合うことを目的に創設された。

 初代王者は昨年10月から今年11月開催のブックフェアを対象にした「防衛戦」に臨むことになる。自身も読書家として知られる、チャンピオンベルトのスペシャルプレゼンターとして登壇した新日本プロレスの棚橋弘至さんは、「チャンピオンはそのジャンルを引っ張る存在です。チャンピオンが全力で走ると他の人は追いかけないといけない。そうすると、業界全体のレベルが上がるんです。BFCへのエントリーに迷っている書店員の方も、ぜひ一歩踏み出してください。挑戦しなければ何も変わらない。でも挑めば、その経験が必ず自分の力になります。行動することにこそ価値があるのです」とチャンピオンにエールを送るとともに、次回以降の挑戦者にも期待を込めた。

 BFC実行委員長(梅田蔦屋書店店長)の北田博充さんは、「M-1グランプリ」の創設によって漫才人口が増え、漫才のクオリティーが進化したのと同様の効果を期待して、書店員同士が競い合うBFCを創設したという。書店員の仕事に脚光を当てるこの取り組みから書店に活力が湧き、ひいては出版業界が元気になることを切に願う。(ライター・濱野奈美子)

AERA 2025年3月24日号

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