全体的にモノが多く、ベビーベッドの存在感が大きいリビング/ビフォー
この記事の写真をすべて見る

 5000件に及ぶ片づけ相談の経験と心理学をもとに作り上げたオリジナルメソッドで、汚部屋に悩む女性たちの「片づけの習慣化」をサポートする西崎彩智(にしざき・さち)さん。募集のたびに満員御礼の講座「家庭力アッププロジェクト®」を主宰する彼女が、片づけられない女性たちのヨモヤマ話や奮闘記を交えながら、リバウンドしない片づけの考え方をお伝えします。

【至福のアフター】ベビーベッドを手放して広くなったリビング

case.92  生活がしやすくなると家事の時間も半分に  夫・子ども1人/一般事務

 家をきれいに保つためにまずやることは、家の中にあるモノの量を減らすこと。モノの量が少なければ、限られた収納スペースの中にきちんと収めることができます。さらに、何が、どこに、どれだけ置いてあるかを管理できるようになります。

 管理できる量というのは、人によって異なります。片づけに悩んでいる人はだいたい自分の管理能力を超えた量のモノに囲まれて生活しています。ギュウギュウに詰まったクローゼットの中から、「あ、こんな服持ってたっけ」としばらく着ていない服を見つける人がこのパターンです。

 実家や一人暮らしのときはそれほど片づけに苦労しなかった人も、子どもの誕生によってモノが急に増えて対応できなくなってしまうことも。

 今回ご紹介する加奈子さんも、その一人。

「7年ほど前に子どもが生まれて、ベビー用品やおもちゃが増えたときに家の中がモノでいっぱいになってしまったんです。私も仕事を始めると、ワンオペ状態だったこともあり、仕事との両立でけっこうイライラしていました」

 夫は仕事が忙しく、あまり家事に参加ができません。加奈子さんは毎日の育児・家事・仕事をこなすのに精一杯。加奈子さんの心が癒やされるのは、好きな音楽を聴いているときだけでした。

 さらに、夫婦二人の生活のときはあまり気にならなかった夫の趣味のプラモデルが増え続け、どんどん家の空間を占拠していきます。

次のページ
動くだけでモノにぶつかる生活に嫌気