
ワールドチャンピオンのドジャースとカブスの日本での開幕シリーズが東京ドームで開催される。ドジャースは3月18日の開幕戦に山本由伸、19日の2戦目に新加入の佐々木朗希が先発登板。迎え撃つカブスも昨年15勝をマークした今永昇太が開幕戦に先発登板する。メジャーの開幕戦で日本人投手が投げ合うのは史上初だ。
「日本で開催されるということを差し引いても、実力が認められなければ大事なマウンドは託されません」(ドジャースを担当するスポーツ紙記者)
メジャーで日本人投手の活躍が目立っているが、誰もが成功できるわけではない。メジャーの舞台で活躍できる選手は一握りだ。今年、新たにメジャーに挑戦して、厳しい現実をつきつけられている投手たちがいる。
昨年オフにポスティングシステムを利用して中日からメジャーに挑戦し、ナショナルズと2年契約を結んだ小笠原慎之介は、オープン戦で打ち込まれる登板が続き、4試合登板で1勝2敗、防御率7.56と厳しい状況になっている。20日のメッツ戦でも登板予定だが、これが開幕先発ローテーション入りのラストチャンスとなるだろう。
ただ、この結果が「想定外」とも言えない。小笠原に対して、メジャーの球団からはそれほど高くない評価も出ていた。
「直球の強さという点で物足りないし、制球力も特段良いわけではない。肘、肩に大きな故障なく、中日で4年連続規定投球回数に到達したのは評価できるが、同じ左腕の今永や菊池雄星(エンゼルス)と比べるとランクが落ちる」(メジャー西海岸のスカウト)
マイナー行きを通告された青柳
やはり昨年オフにポスティングシステムを利用して阪神からメジャーに挑戦した青柳晃洋は、メジャー契約が結べず、フィリーズとマイナー契約を結んだ。招待選手としてフィリーズのキャンプに参加し、メジャー昇格を目指したが、3月13日のブレーブスとのオープン戦で1死しか取れず1安打4四死球3失点の大乱調。オープン戦4試合に救援登板して防御率12.00と結果を残せず、15日にマイナー行きを通告された。
「青柳の大きな課題が制球力です。阪神時代は先発要員だったので救援で投げる難しさがあると思いますが、ストライクゾーンに投げ込めないと厳しい。2年連続最多勝に輝いた実績がありますが、近年は1軍に定着できず苦しんでいたので米国の球団の評価は高いとは言えなかった。ここからはい上がってほしいですね」(阪神を取材するスポーツ紙記者)