楽天モバイルの回答は

 記者は楽天モバイル社に次の質問を送付した。①スマホの不正契約の相談はどのくらい寄せられているのか。②警察庁の「上限5回線」の要請にもかかわらず、なぜ契約回線の上限を15回線に設定しているのか。③追加契約には本人確認書類の提出が不要なことや、本人確認書類の提出が不要なプランの提供は、犯罪防止の観点から問題ではないか。④不正契約があっても、契約者にそれが通知されない事案が最近あった。不正を検知するモニタリングは機能しているのか。⑤不正契約への問い合わせは1回だけしか対応しないのはなぜか――。

 これに対して楽モ社は以下のように、回答した。

 ①回線不正契約の相談については、「個別に対応しておりますので、詳細の回答は控えさせていただきます」。②契約回線の上限を15回線にした理由は、「お客様の様々なニーズに対応するため」。③④については、「今後も不正検知のためのモニタリングや不正防止のための仕組みの強化など、継続的かつ多岐にわたる対策に徹底して取り組んでまいります」などとし、実のある回答は得られなかった。

 ⑤については、「被害に遭われたお客様には、基本的に1回まで救済措置についてご説明させていただいておりますが、再度被害に遭われた場合などは個別に状況を確認させていただいたうえで、柔軟に対応させていただいております」。

 スマホの回線はいまや社会インフラだ。それが第三者に契約され、長期にわたり不正請求の温床になっているとしたら、由々しき事態だ。楽天モバイル社の倫理観が問われている。

(AERA dot.編集部・米倉昭仁)

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