カレッタ汐留(撮影/上田耕司)
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 東京・汐留の電通本社ビルの敷地内にある複合施設「カレッタ汐留」。かつては多くのサラリーマンでにぎわっていたが、ここ最近は一時の勢いはなく、「ゴーストタウン化した」と報じられることも少なくない。JR新橋駅や都営地下鉄大江戸線、東京メトロ銀座線など5つの路線とつながっている好立地だが、「今年に入り、電通の社員のお客さんが減って、売り上げが減っています」(居酒屋店主)という声も聞こえてくる。これもフジテレビからCMスポンサーが撤退した影響なのか。現地を歩き、飲食店オーナーや管理会社などに話を聞いた。

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 2月平日のランチどき、「カレッタ汐留」を訪れると、地下2階のレストランには行列こそできていないものの、ほとんどの店は食事をする客で埋まっていた。「ゴーストタウン化している」との報道も目にしていただけに、少し拍子抜けしたが、ある飲食店の女性オーナーはこんな事情を話してくれた。

「ここは確かに立地はいいんです。『電通本社ビルの地下でレストランをやっています』と言うとわかりやすいし、いい宣伝になります。昨年と比べても、ランチどきはまだお客さんがたくさん来てくれていますが、夜はめっきり減りましたね。昼と夜を合わせたお客さんの絶対数は減っている気がします」

 汐留の電通本社ビルは地上48階、地下5階の超高層ビル。1階から45階までのフロアには電通が入っており、46、47階はスカイレストランとなっている。同ビルの敷地内に「カレッタ汐留」があり、地下1階と2階にも飲食店がある。

「カレッタ汐留」の地下の案内板には37店舗が掲載されている。地下1階にはジムの「chocoZAP(チョコザップ)」、耳鼻科、デンタルクリニックなどもある。地下2階の「汐留横丁」は16店舗の飲食店が軒を連ねている。

 ところどころ空いているテナントがあるものの、がらがらという感じはしないが、前出の女性オーナはこう話す。

「電通本社ビルの隣には『パナソニック東京汐留ビル』、近くには日本テレビの社屋もあるので、そちらからも、うちの店にやって来てくれます。でも、何といっても一番多いのは、このビルの上の電通のお客さんです。けれど、今年1月くらいから電通のIDカードを首から下げているお客さんがめっきり減りました。フジテレビの番組からCMスポンサー企業が降りた影響で、電通の中もガタガタしているんじゃないかと心配しています」

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「地下街で飲んでる場合じゃない」